脳力開発161号/理念の時代を生きる161号

脳力開発161号

死生論   曽野綾子

二月理念実践会で「死生論」を取り上げた。若い経営者たちは輪読・和談では自分の人生をどういった心構えで送るかということ、理念に通じる部分が多いと感じたようだ。読めば納得することばかりで、一つ一つを自分に照らし合わせてみると、まだまだ自分の未熟なことも自覚でき、学びや実践の継続を改めて意識することができた一冊であった、と感想に述べている。

「死生論」の中のとりわけ心に響く箴言を記しておきます。今の言葉だけが先走りする軽佻浮薄な世間を改めて見直してみるのに最適な本でした。(悦司)

■人間の弱さといとおしさ

  1. 昭和と平成が与えてくれたもの

日本人は、個々の道徳性や哲学の上に生きるのではなく、世間の「評判を評価して」生きる面が強い様に思う。誰しも自分の仕事を高く評価してほしい、という気分はあるが、人間は死ぬまでに、誰に知られなかろうが、本来果たすべきだった任務を果たして死ぬという大きな使命がある筈だ。p70

  1. 受けるよりは与える方が幸いである

最近の若い人は「受けるのが権利」というふうにしか考えない。与えたら損になると思っている。同様に年寄りにも強欲な人が出てきて、親戚や社会からもらって当然という顔をする人もいる。他人から世話を受けても、感謝を忘れなければ、相手に満足や嬉しさを贈ると言う形で与えている。それが成熟した人間の姿勢だと思う。p74

■「不便さ」の効用

過剰サービスは精神の発達を妨げる

  1. 便利さに馴れると、子供たちの知能は伸びないし、大人はぼんやりとした創造性のない人格にしかならない。人間には現在ないことを予測する力が要る。予測は主に、どのような悪いことが起きるかを空想できる力である。「皆いい人」などということを信じる教育をしていたら、停電や断水も防げず、交通手段や通信などの安全も確保できない。p83
  2. 災害の時にどこに逃げたらいいかは、土地の知識と動物的な本能との相乗的な結果でわかる。その才能を発揮しないような過剰サービスをすることが、社会にいいことだという発想を私は取らない。若い人の精神を育てるには大きな毒害になる。p84

貧しさが培った日本人の心理

  1. 日本の近代を作ってきた要素の中には、貧しかった日本の歴史がある。与えられていない時ほど、人間は奮起し工夫する。しかし、文句のないほど与えられていれば、誰だって努力しないのは当然だ。p85
  2. 日本でも最近、貧しさはひたすら無意味な悪ということになった。しかしそうでもないだろう。富を求めるのはいいが、それが与えられなかった時には、貧しさの意味を把握して生きるのが、むしろほんとうに豊かな人の暮らしだ。p87

大切なものは「当たり前」の中に

  1. 一人の人間が、ある土地に生まれ育ち、所属する国家の言葉で、読み、書き、話すことができるかどうかということは、重大な問題だ。これほど恵まれている日本なのに日本語で十分に自分の思いを告げたり、書いた文章で状況を連絡したりすることに自信のない人が現代にはたくさんいる。96
  2. 日々家族や身近な知人が健康に穏やかに暮らせることは偉大なことなのだ。人を愛する、ということは、身近な存在から愛することである。だから、途上国援助も大切だが、順序としては、家族や友人から幸福にすることなのだ96

■善良で最悪な社会

乞食は何と呼べばよいのか

  1. 今の日本では、すぐルールを作って、この言葉は新聞では許されない、という形の排除を行う。マスコミの世界は表現の自由よりも、規則が好きなところなのである。私たちは現世に存在するあらゆるものを、自由に表現できなければならない。侮辱するためでも、差別するためでもなく、現実を見極めて、そこからよりよき方角に出発する智恵を持ち寄るためであろう。p123

人生は小さな戦いの連続である

  1. 人生は小さな戦いの連続なのである。表現の自由がもし許されているならば、大抵のことを口にできる自由も残さなければいけない。その場合も、常識の範囲内、個性として許されるものでなければならない。それに対して女性も、年齢や、態度や、言葉で相手に警告を発することはできる。p139

■どこまでが「ひとごと」か

実利主義者の方が信用できる

  1. トランプ米大統領について、日本のマスコミは、殆ど無駄な推測をしてきた。トランプという人は大統領になっても軽薄な成金趣味だが、ソロバンを弾く能力はある。軽薄な人道主義を唱えるアメリカのインテリアやマスコミ人より、私はずっと信用している。p153

自己犠牲はきれいごとでは済まない

  1. 人を救うという事は、一時の言葉だけで済むことではない。本当は二膳食べたいときに、一膳しか与えられていないご飯を、見ず知らずの人に半膳ゆずれるか、ということなのだ。p154
  2. 私たちは自分の生涯を大切にしなさい、と教わる。しかし皮肉なことに、生涯を捨てる覚悟をしないと、生涯に一つの事業も完成しないことがある。昔はそのような捨て身のお手本がたくさんあった。今は自己犠牲もしない方がいいという。p156

■危機に学ぶ

本能の指令をどう鍛えるか

  1. このごろの若者たちは、何事によらず、マニュアルとか、上からの指令がないと動けないしい。都庁に新しく勤め始めた青年たちの代表が、小池百合子知事の言葉をオウムのようにまねて「安心と安全」を目ざすというような挨拶をしていて興ざめだった。安心と安全は組織としては大切な心構えだが、それは年寄りの精神的姿勢である。P211
  2. 船が沈みそうになると、鼠が船外に逃げ出す、という話は嘘か本当か見たことはないが、泳げない私でもとりあえず甲板に出る。セウォル号の場合、先生が生徒に船室に集まるように言ったからだというが、緊急の場合は、「先生の命令になど従うな」と私なら子供に教えておく。P212

「平和な日常」の貴重さを思う

  1. 平和も反戦も、デモや署名活動やシュプレヒコールで手にできるものではない。人間は、食べられて、大して暑くも寒くもなく眠れて、子供を安全に学校へ送ることができ、日常生活で誰かに襲われるようなこともなく暮らせれば、あまり闘争的な気質も持たないものである。人間は、いい意味で怠け者だと思っている。P224

■職業に適った年齢

順調を羨むことはない

  1. 貧乏も、病気も、家庭の不幸も、天災も、すべてその人の資質を伸ばすのに役に立つ。経済的に安定した平和な家庭で、穏やかに成長することの方がいいに決まっているが、必ずしも順調を羨むこともない。P242

学校なんていかなくていい

  1. 新学期になると、子供の自殺者が出るという。学校は、私のような歪んだ心理の子供にとっては、刑務所と同じ、拘禁される場所である。「学校なんかいかなくていいんだよ」とその時、一言いってくれる大人が周囲にいたら、子供たちは決して追いつめられて自殺するような気分にならなくて済むだろう。P245

世の中を動かしているのは二番以下の人たち

  1. 「一番」は一人しかいない。残る二番以下の人たちの人生が輝いていないのではない。むしろ社会を基本から動かしているのは、二番以下の大勢の人たちの存在だ。どの世界の片隅にも、自分なら生きられる、もしかすると自分を必要としていると思われる場所があるはずだ。P250

人生の目的は人に会うこと

  1. 人間の幸不幸の原因は、社会や国家の仕組みのせいだと思っている人が多いらしいが、実は半分以上、自分の性格から出ているものではないか。この世に生まれてくるのは、人に会うためなのである。人と出会ってその豊かな才能を見ることが、楽しみでもあり豊かさでもあると、私は終始感じている。P258

 

理念の時代を生きる161号

JAPAN Forward

■日本の海外への情報発信

英語ニュースオピニオンサント「JAPAN Forward」は2020年6月知ネット通信を初めて4年目になる。私はこのサイトの考え方・姿勢に協賛しています。協賛に至るまでの理由とサイトの姿勢を今回取り上げます。

  • 私は個人的には常々日本の世界に向けての対外的な国としての発信は「いったいどうなっているか」と切歯扼腕の思いであった。その事は、私が70歳の歳を迎えて戦後70年を振り返り「戦後70年を検証する」と宣言し、日本の戦後を振り返り始めたころから感じていた。
  • 昭和十八年生まれの私は正に戦後教育そのものを受けて育った。日本の戦前の教育を知らないで育ち、大学時代の前後に学生運動も直接、間接に体験している。労働運動も経験し日本の経済復興と高度経済成長そのもの、同時にバブルも体験している。しかしながら日本の戦前戦後について全く学ばないで育ち、このことが澱のように、私の心の中で引っかかっていた。
  • 戦後のGHQによる占領政策がいかにその後の日本に影響を与えたかということは知的保留事項だった。以来3年半の研究を経て2018年に「戦後70年を検証する」タイトルで小冊子化をした。その後も「森のフーォチャ」に研究したことを継続的に書いてきた。

虚偽を認めても姿勢を変えないメディア人

  • そのご「何故日本は世界から誤解されたま、国として外務省としても世界に向けて発信しないか」と思っていた。日本のメディア特に朝日新聞は世界に向けては慰安婦問題30余年発し続け、6年前当時の慰安分問題の記事の虚偽を認め、木村社長の退任があったものの、その虚偽事実を世界に向けて訂正はしていない。訂正しないのみか、いまだに日本を貶める活動をやめていない。人間として日本人として恥を知らないかと思う。
  • 1991年に執筆した従軍慰安婦に関する元朝日新聞記者の植村氏の捏造情報を指摘した桜井よしこ氏を彼は2015年、名誉棄損、損害賠償で訴えた。しかし、植村氏の訴えは2020年11月18日、最高裁で退けられた。にもかかわらず、反省する姿勢すらみせない。この判決の後、安倍前総理が投稿したSNSに対して「植村裁判を支える市民の会」なるもの事務局長が内容証明つきで通知書を送付したという。
  • 国連人権委員会で日本を貶める人達であふれている。自国を貶める人間が世界に向けて間違った情報を発信している。この遠因は戦後のGHQのコントロール下にある時代に、迎合したメディア、弁護士(日弁連の一部)、日本文芸家協会、日本学術協会の一部にも含まれる。戦後75年も経って未だGHQの影響を払拭できていない。

■状況を変える地道な活動

  • そんな状況を変えるは、ささやかであろうが、間違った評論に対して継続的に反論を繰り返し証明する以外に方法はない。その活動を目的として「JAPAN Forward」が発足することに私は心から共感と喝采を送った。賛助会員として協賛した。
  • スタートから3年経過した。日本発英語ニュースメディアのFacebookのフォロアー数は137万人がフォロー中です。現在トップスリーだ。2月時点ではおそらく二位になっているだろう。一位、NHK200万人二位、JAPAN Today146万。是非ご覧になっていただきたい。

JAPAN Forwardの基本方針・姿勢 

一、日本と日本人を応援する英語メディア

二、「素顔の日本」の魅力を発信

三、「課題先進国」日本の取り組みを伝える

四、双方向型の信頼されるメデヘアを目指す

■ビジョン

  • 英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」を運営し英語を話す人々に政治・経済・文化・社会などの様々な分野で、等身大の日本の姿や日本の多様な価値観・日本企業・団体・個人による国際活動などを積極的に発信します。
  • 世界にはびこる日本と日本人に対する誤解や偏見を払拭し日本の現在(今)を冷静かつ前向きにそして多元的に伝えることで日本への関心を高め、世界と日本をつなぐ新しいメディアを目指します。
  • 「JAPAN Forward」(ジャパンフォワード)は、良識ある日本の声、等身大の日本の姿を世界に届けるために、産経新聞社の支援を得て創設した新しいインターネットの英語ニュース・オピニオンサイトです。世界が大きく揺れ動く中、日本での主要な出来事や論点、課題、歴史、文化に至るまで、「素顔の日本」を多角的にわかりやすく伝え、日本と日本人への理解を深めていただくことが設立の目的です。
  • その運営には、一般社団法人ジャパンフォワード推進機構が当たります。私たちは、産経新聞の主要記事をはじめ、良質な記事や論評、動画、インタビューなどをタイムリーに世界に発信し、議論に参加しやすい双方向型のネットメディアコミュニティーの構築を目指します。異論や反論にも一定のルールのもとにスペースを開放していきます。
  • 私たちは、日本、そして世界の国々が安全で、共に繁栄する地球を築くことを強く願い、恐れず、偏らず、そして、おもねらず、自由闊達な言論活動を謙虚に展開していきます。「前進を続ける日本」-それが、「JAPAN Forward」のタイトルに託した思いです。日本と日本人を応援する私たちのコミュニティーにぜひ加わってみてください。私たちは、皆さまのご参加とご支援を心より歓迎いたします。内藤泰朗(産経新聞社東京編集局副編集長)

次号で・「日本を貶めるフェイクニュースを論破する」を取り上げたい。


脳力開発160号/理念の時代を生きる160号

脳力開発160号

その一・和環塾2021年ZOOM新年会

今からおよそ三〇余年前、発足当時参加者全員が若かった。三〇~五〇代の経営を志す仲間たちだった。西順一郎先生のMGマネジメントゲームで戦略会計を学び、城野宏先生の脳力開発、そして当時最先端を行くパソコン・マイツールを中心に、その後に大和信春先生の和の実学を学んだ経営者とその奥さんの集まりです。

毎年新年会をやってるがあいにくのコロナ禍のためZOOMで開催した。全員で一三名が参加。今なお現役の経営者は本日の参加者の中では五~六名、最長の塾長は八二歳になった。その次の世代が私達で喜寿の人が三名と続く。

二〇二〇年か未来へ

塾長の奥様M江子さんは私の半年先輩、かつて全日本社会人テニスダブルスのチャンピオンになった塾長の奥様。スポーツウーマン。塾長のガン闘病生活を明るく朗らかに語ってくれた。塾長はほぼ毎日、読書した本のポイントレビューを送ってくれる。この介護体験の話があっけんからんとして、人間の歳をとってからの生き方を示してくれる。塾長夫妻。

私に半年遅れで喜寿になるK原氏、息子がコロナにかかったと驚かせながら、顛末を話してくれた。店舗やその他インテリア・リフォームを生業にしている。コロナ禍には徹底的に対処し、仕事仲間の職人さんに、自社の事業継続給付金をお配りしたという。立教出身、穏やかで人情味あふれる互恵人。仕事では適格なアドバイスをされて仕事は多忙。年齢から感じさせない溌剌さ。毎日の充実した仕事を持っている。ユーチューブで仕事の流れを密かに流している。

O田原の副市長から介護施設の三代目を目指すT田氏は四月から現役大学院生になるという。精神が若い。かつて共にシリコンバレーを案内してもらったNTT出身のY川氏は七年前に債務超過の会社に移籍、七年間の時間と紆余曲折の末、昨年は特殊な独自のコネクターの生産がデジダル化で追い風になり二十一億の債務を返済し、これから今までお世話になった人達への恩返しを目指して上場を計画しているという。上場の審査は厳しいと。

原因不明で車椅子を使ったこともあるが、今では室内は歩けるようになるまで回復したSONY出身のS松氏はこれから更に第二創業を志し、指導してきたことを単行本として春には出版、以後も計画しているという。コロナによって影響を受けた経営者もいるが、それぞれのコロナ体験を交えて令和二年を振りかえりそして第二部では令和三年の抱負も語っていただいた。

夫婦の真実が見える

コロナは夫婦の関係をあからさまにする。夫婦の真実が見えてくる。かつての勉強仲間との一年ぶりのZOOMでの新年会は明るい楽しい会になった。歳を重ねることは悪くない、そんな想いを抱いた。夫婦参加の人達をみてある人が朗々介護護も悪くないと言った。思わず拍手した。なるほど朗々介護だ。(悦司)

写真和環塾新年会

 

その二・沖縄・糸満経営方針設定合宿

交通・ホテル・飲食事情

コロナ禍で緊急事態宣言が出されている。毎年この時期には経営方針設定のための経営合宿を沖縄で行っている。しかし、今年になってコロナの感染が広がっている、GOTOトラベルの中止。毎年茨城発で那覇に行っていたが、SKYマークも運行中止ということで急遽JAL変更した。N氏もS氏もいつものANA便が中止となり、出発地を伊丹に変更して那覇空港に集合することになった。

私も朝一番のJRで品川までグリーン車、品川から京浜急行で羽田。羽田はガラガラ。那覇便も私が見た範囲で言えば100人の席に、15人ほどがバラバラに座っている。近くには人はいない。

合宿するホテルも朝食会場も朝七時半に行ってみるとこれまたガラガラ。初日の早めの夕食もホテルを利用したが、お客さんはゼロ。駐車場もガラカラ。最終日が終わって那覇出発前の少しの空き時間にタクシーを利用したが、例年は修学旅行生、インバウンドの観光客で一杯の国際通りのおみやげ屋さんは九割方シャッターを下ろしている。

運輸関係、旅行関係、飲食関係は大打撃であるのみならず、ゆくゆく倒産も免れまい。現実にANAは社員の派遣を他業種にしている。JALやANAは国が一応守るであろうが、LCC関係は壊滅的な影響を受ける。借りたトヨタレンタカーもビジネス・インバウンド専用と一般客を対象にしたものに別れていたが、まさかトヨタもインバウンド専用と名前を掲げているのには苦笑した。インバウンド専用は文字通り外国人を相手にしているわけだが、一年近い海外からの入国禁止措置では如何ともしがたい。インバウンド専用とはまさにお笑いだ。

写真・JALの機内、那覇空港、ホテル朝食会場、

 

自立連帯型企業運営

N社はおよそ二〇年前から企業改革を開始し、理念制定。石材業界の将来を予測して、社員を計画的に育て社長を育成してきた。それまでは社員だったが、経営者としての理念の探究と経営能力の教育と実践を指導して、自立連帯型企業経営をしてきた。したがって今の販売施工部門は全て理念にもとづいた経営をしている。仮に各社長がサラリーマンのままだったらとうに倒産しているだろう。

中長期計画をベースにした経営方針

加えて新事業を開始してから一〇年余が経った。誰もが目につけない部門を開始し一〇年。それが粗利で一億円を稼ぐ会社に育った。なお、誰もが目をつけたとしても取り組まない事業だ。この事業は顧客との信頼関係が生まれリピート率が90%と高い。この部門の拡大を企画して人を育てている。

また、石材関係も垂直統合型の仕組みを創ってきたことがここに着て明確な組織が整ってきた。いま、墓石業界は中国に依存してきた産地は壊滅常態であり、加えて加工販売をしてきた販売業者は樹木葬儀や墓じまいによって高齢化と廃業が進んでいる。

N社の垂直統合の流れは採掘・製造・販売の一貫体制の仕組みを創って進めることになる。それぞれの段階の話はここでは書かないが、N社の将来は非常に明るい。また自立連帯型の販売部門は会社が独自性を追求しているからどんな逆境練機とし着実に力をつけている。(悦司)

 

理念の時代を生きる160号

その一・経営計画熟考会・茨城・彦根

年末と新年一月初旬経営計画熟考会を例年どおり開催した。根本的に違うのは昨年以来コロナ禍の渦中にいるということだ。先月号でポストコロナ禍の時代と社会を展望する・加速する第4次産業革命を掲載した。ここには避けられない予測が書かれている。

第4次産業革命が襲っているということ、同時にコロナ禍に遭遇している。その中で、私たちは今までのまま続かない状況にあって、生き方を新たに決定するかが問われる。

一つ目は、今までの様な雇用状態が維持されるかということだが、これからサラリーマンの人はよほど特長のある職務・仕事をやっている人以外は解雇されるということ。今、リモートワークしている人でも、いずれAIにといって変わられ仕事はなくなる可能性が高い。

二つ目は、今までの専門家といわれた大学教授であろうが、芸術家であろうが参加してくれる人達がいないと成り立たない仕事は、今後も保証されるとは言えない。胡座をかいた大学教授は解雇される。芸術家でも食っていけない。スポーツ選手でもその恐れがある。

三つ目は、しかし、都会で暮らす生き方とは別の地方に移住して収入は一見下がっても、家族や個人の納得した暮らし方ができる機会、チャンスがある。生活するために収入の多さを求めてきた生き方は見直される機会でもある。

  • 経営計画熟考会は上記の状況を視野にいれながら、自社、個人の理念を前提にして経営を考えることになる。普通大企業はたくさんの人を抱えているから、転身には様々な犠牲が予測される。しかし経営者はこの点は避けて通れない。
  • 参加経営者は幸いなことに自社の役立ち能力を理念に添って磨いているから、このコロナ禍、AI進展を好機ととらえることができる。何度も繰り返してきたが、自立した人間にとっては身に降りかかる出来事はすべて「最善でした、必然である」ととらえる。したがって「困難は神の恩寵的試練」と捉えて進化する。綺麗事をいっているではない。結果として経営者として実力を磨くことになる。
  • 酷な言い方になるが、たまたま、何も努力をしなかったにも関わらず経営できていた企業、・会社はインバウイドがなくなって倒産したとか、飲食関係のチェーン店が閉鎖したり、業態転換を始めるのは当然であるということだ。コロナ禍でその企業の終末の時期が早まったということだ。
  • 茨城で四社、彦根で六社、引き続きZOOMで二社の経営者が経営計画熟考会に参加した。

いずれも、実に今年から数年先を視野に明確な方向性を示す計画ができた。コロナ禍であろうが、自分たちの未来に立ち向かう姿は希望にあふれている。

写真茨城での経営計画熟考会

彦根での経営計画熟考会

 

 

その二・「公共的資本主義」へ転換を 京大名誉教授・佐伯啓思氏

経営計画熟考会資料一部として以下の資料をつかった。私は基本的に佐伯氏の考え方に与する。世間がもてはやしてきたグローバリズム、結果として日本も巻き込まれも経済界も、労働組合も働く人たちが大きく影響を受けて、経済中心平たくいえば生きるためにはお金が第一だという考えから脱皮できてない。縛られ過ぎている。仕事は何のためにするのか?という目的が収入少しでも多くすることに偏っている。経済的豊かさは目的ではない。以下、佐伯氏の思想である。

■過度なグローバリズム、想定と違う結果に

感染症は人類の歴史とともに古く、この100年をみてもわれわれの文明は繰り返し感染症の脅威にさらされている。そして今回の新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、冷戦後のグローバリズムと切り離せない。この感染症がこれほど急速に世界中に拡散し、また世界経済全体に大きな影響を与えたのはグローバリズムの結果である。と同時に、それはグローバリズムへの大きな打撃となった。

■市場競争の皮肉

冷戦後の世界は、モノのみならず、資本、情報、技術、人などのボーダーレスな移動を促進し、グローバルな市場競争によって経済成長を目指してきた。新自由主義や市場中心主義が国家の役割の最小化を唱え、米国がこの政策の旗を掲げることで、冷戦後の世界における経済的覇権を確立しようとしたのである。1990年代から始まる日本の構造改革路線もその強い影響下にあった。だが、皮肉なことに、過度なまでのグローバルな市場競争は、新自由主義や市場中心主義の想定とはまったく異なった結果をもたらした。

★第一に、グローバルな金融経済はきわめて不安定化し、2008年のリーマン・ショックを引き起こした。その結果、政府が強力な財政金融政策によって経済を支えるというケインズ主義への回帰が始まる。

★第二に、グローバル競争は所得格差、資産格差を生み出し、国民経済に動揺を与える。

★第三に、過度なまでのグローバル競争は、「国家の退場」どころか、国家による成長戦略や保護貿易等へと行き着いた。トランプ米大統領に代表される自国中心主義である。

★第四に、そのなかで、あろうことか共産党が支配する中国がグローバリズムの勝者となり、各国経済が中国依存になった。

★第五に、地域的グローバリズムというべきEU(欧州連合)の実験はほぼ失敗した。

★第六に、過度な市場競争の結果、多くの国で、医療、福祉、教育、それに地域コミュニティなどの公共的社会基盤が弱体化した。

★第七に、本来は公共的財産であるはずの情報・知識が市場で大きな利益を実現し、いわゆるGAFA(米IT大手4社)問題を生み出した。またSNSなどの情報によって社会や政治が振り回されることともなった。

★第八に、グローバリズムとイノーベーションにもかかわらず、先進国はさして成長できないのである。

■破綻した価値観

すでに、グローバルな市場競争はもたないところまできていた。そこへコロナ・ショックが生じたのである。コロナ禍は、これらのグローバリズムのもたらした問題をさらに明るみに出し、もっと深刻な次元へと推し進めた。

  • 一国中心主義はいっそう進み、米中対立は深刻となる。民主主義国家も、国家や政府の権力を強化することになる。EUはますます脆弱(ぜいじゃく)になり、人の移動(移民)は経済の重荷になる。SNS等の情報は、緊急事態のために政府による管理が強化される。極端なまでの財政、金融政策や支援金のバラマキにもかかわらず、経済成長は期待できない。
  • これはグローバリズムへの挑戦ではなく、過度なグローバル競争の帰結である。だから、グローバリズムの立て直しによる経済成長主義というような価値観はもはや破綻している。そのことを今回のコロナ禍が顕在化させたのだ。
  • いま、われわれは岐路にたっている。一方では、このショックをしのいで、V字回復で再びグローバル競争に戻すべきという考えがある。他方には、大きな社会転換の契機にすべきだという考えがある。私は後者であるが、もしポスト・コロナの社会像があるとすれば、それは、医療、福祉、介護、教育、地域、防災、人の繋がりなどの「公共的な社会基盤」の強靱化を高めるものでなければならない。
  • それは、効率至上主義のグローバルな競争的資本主義というよりも、安定重視のナショナル(国民的)な公共的資本主義というべきものであろう。

 

★私達が実践している経営は脱競争型経営=脱覇道型経営で、利益を上げることが目的ではない。企業理念を掲げ理念を背景にした経営である。企業は社員と家族を養うために確かに利益を確保する必要がある。自社の利益を最大限に上げること、長持ちをすることも目的ではない。

★企業理念は企業の魂といえる。活きた理念がないと、疑似理念が発生しグローバリズムのごとく上述のような悲惨の状態を生み出す。私達は諸方互恵のバランスのとれた状態を目指している。一・企業と社会の互恵、二・企業と同業者との互恵、三・企業と取引先との互恵、企業と社員との互恵、四・社員同士の互恵、五・社員と社会との互恵関係だ。(悦司)


脳力開発159号/理念の時代を生きる159号

脳力開発159号

コロナの影響と今年の市場の実態報告

11月華鐘コンサルタントの「新型コロナウイルス克服後の中国経済と世界経済における立ち位置」に関するセミナと私の出身大学のZOOMによる未来社会研究プロジェクトの講演会に参加しました。中国市場は情報によれば景気回復したかのようない勢いです。個人的にはコロナに対しての対応やその他中国のその後の外交に対して大いに疑問を感じております。今回、日本を中心にしての視点を中心に眺めてみたいと思います。

「ポストコロナ禍の時代と社会を展望するーコロナ禍が加速する第4次産業革命」講演者は佐和隆光氏(公益財団法人国際高等研究所副所長、元滋賀大学学長・特別招聘教授、京都大学名誉教授)でした。特に印象に残っていることをポイントレビューしてみました。

納得できる視点が沢山あります。経営計画熟考会での資料として一部参加者と意見を交わしました。コロナ禍と現在のAI状況からみなさん考えてみませんか。

■人工知能(AI)とロボットは雇用を奪う

1、工場の無人化と事務労働のAIによる代替の進展により、製造業とサービス業における雇用者数は激減する。

2、野村総研がオックスフォード大学に委託した研究によると2030年までに日本の労働人口の49%が失職すると予測した(2015年12月 人工知能やロボットで代替可能)。

代替できない職業とは?

1、コミュニケーションを要する仕事 初等中等教育の教師、介護師、医師の問診と告知、大学でのゼミ形式の授業、コンサルタント。

2、ホスピタリティーを要する仕事 高級ホテル・レストランのウェイター・ウェイトレス

3、創造性を要する仕事 研究者、芸術家等。

4、マネジメトの仕事 企業経営者、政治家、官僚。

★経験の積み重ねにより自然と身につく暗黙知が必要な仕事。

■プラットホーム・ビジネス

1、Uber車両を所有しない。Facebookはコンテンツをつくらない。アリババは在庫を持たない。Airbnb宿泊提供業は物件を持たない。

2、実店舗の消滅は避けられない。かつて商店街をシャッター街にした大型小売店舗はネット通販により壊滅の危機にある。

過剰労働力をどうするか?

1、国の国民へのベーシック・インカムを供与しても国民の半数が生活保護世帯もどきになる「社会」は存続し得ない。

2、公共サービス部門の雇用増 教育、介護、看護、医療、環境、研究、文化、芸術部門。

3、改めてのルネサンス 人文学、芸術、純粋自然科学の振興に国が投資をする。

人工知能は電力を大量消費する

1、完全自動運転の乗用車一台は一世帯と同じ程度の電力を消費する。

2、人間の頭脳は恐るべき省エネ性能を持っている。思考するとき2千ワット相当の電力を消耗する。

■人工知能は電力を大量消費する

1、データーセンターを電力の安い水力資源の豊富なノルウェー、カナダ、アイスランド等に立地する。クラウド・コンピューティングにより世界中にサービスを配信する。

2、第四次産業革命は電力需要を増やすが、電力が消費されるのはデーターセンターの立地する場所で必要だ。

■日本の立ち位置

1、日本は第四次産業革命に後れをとっている。技術的には米中が先導、日本は周回遅れ。

2、日本の自動車産業もEVへのシフトが遅れている

3、AIは大量の電力を消耗する。生産拠点の途上国移転は電力の点で歯止めがかかる。電

力高価格の日本の国際競争力は低下する。ルノルウェイ他が優位。

4、自動運転の基本ソフトをグーグル他が独占する可能性がある。日本はパソコン・スマホ

の二の舞の恐れがある。

■第四次産業革命のおよぼす社会経済シテスムの変化

1、労働力人口の49%の失職の予想にどう対応するか?

2、電力低価格化へ向けて如何に戦力的に取り組むか?

3、GAFAに代表されるプラットフォーム・ビジネスにどう対応するか?

4、2020年度の小売総額に占めるEコマースの比率が25%を超える。

5、インタネット広告が費用対効果でマスメディアを凌ぐ。

・総広告費に占める新聞のシェアは1988年19.9%から2019年4.7%に下落。

コロナ禍が加速する第四次産業革命

1、リモートワーク、オンライン授業・講義、オンライン会議(国内外)が日常化した。

2、ICT(情報通信技術)とソフトウェアがリモート化を可能にした。(必要は発明の母)

3、高齢者・児童のICT(情報通信技術)リテラシーの向上を促す。

4、人の移動(通勤、通学、会食)機会が最小化する。

5、企業、大学のコストの削減、リモート化への慣れ。リモート化は持続されると予想。

6、人間の国際間の往来への制約が生産拠点の海外移転に歯止めをかける。

7、国際的イベント(オリンピック等)、国際会議・学会の開催のリモート化し、頻度増加

■ポスト・コロナ禍のニューノーマル新常態

1、往来の頻度は激減し、個人企業のコストは削減される。

2、運輸・宿泊・旅行・外食産業は大打撃を受ける。

3、大学の授業内容が事実上公開される。(魅力的な授業と通り一遍の内容の差が判明)

4、小売業界ではeコマースの一人勝ち。

5、高齢者・児童のデジタルスキルの向上。

6、国内総生産GDPはマイナス成長、しかし生活水準は向上する。

7、高齢化社会の「働き方改革」へと自ずと変わっていく。

8、リモートワークは大都市集中から居住空間のある地方へ。本社の床面積は狭小で済む。

9、インタネットの普及でマスメディア・出版は更なる地盤沈下する。

 

理念の時代を生きる159号

 昨年までは理念探究参加者の方には各地から茨城県にある天命舎までご足労をお願いしていた。今年理念を探究する人は広島県と香川県の二名だった。彼等は既に進化経営学院に数年かよい私達が目指す和道経営関連の授業を受けている。加えて社長として経営経験を積んできた。今年は、残念ながらコロナ禍で天命舎まで通っていただくのが難しくなった。

次善の策としてZOOMによる方法を検討した。毎月二日間、時間は朝9時から夕方5時まで。面談指導は講師を依頼している大和先生と私の四人の場面、個々の探究者と三名、そして私との面談等いろいろなケースがある。結果として指導する方も受講生も集中力も高まり理念制定までは到達した。その感想を書いて貰った。コロナ禍のなかで新しい方法でも到達できるということが確信できた。但しそれまで土台になる和道経営を学んでいなければ不可能だが。

理念制定に至った感想・濱田 渉

そもそも「理念」というものは、私自身が黒田先生とのご縁がなければ、知るすべもない無縁のものでした。と言うのも、私のこれまでの人生で目標を掲げて努力したのは、高校時代に駅伝で全国高校駅伝に出場するという目標を掲げた時だけで、自分の歩んできた人生の中で目標を掲げることなどは無く、何をするにも常に行き当たりばったりで、「何とかなるだろう」という姿勢で人生を過ごして来ました。

そんな私は大学卒業までは順調に人生を歩んできました。しかし、社会人一年生として出発した会社で営業を開始しましたが約一年あまりで挫折し、本当に苦い経験をしました。その時、「社会とは甘くないなんだ」ということを痛感させられました。その後、縁あって、中谷石材に入社させていただき、その社内研修で黒田先生の脳力開発に参加させていただき、初めて、「理念」というものを教えていただきました。その当時、理念ということを教えていただきましたが、まさか自分自身が後に理念を制定できるとは思ってもいませんでした。

それから、中谷石材の手厚い人材育成支援のもとIAT研修・次世代経営者養成塾ジュニア・シニアを経て理念探究に臨むことになりました。その当時、理念探究に取り組んだ時は、言葉で目標や志を表現するような姿勢で取り組んでいましたので、「良い文言が出来た。これは良いだろう。」と心高ぶらせながら大和先生に理念データを持って行きました。しかし、いつも大和先生に「これは理想ですね」とお言葉を頂きました。結局、二年間、理念探究に取り組みましたが、理念制定には至りませんでした。

その後、本日まで約十年もの年月が経過しましたが、その間、会社を設立し、取引先が合併による影響から事業衰退になり、そして社員が会社を辞め、大赤字を計上し、倒産の危機にさらされ、販売路線の変更を余儀なくされるなど目まぐるしく環境や状況が変化していきましたが、そのような状況下でも中谷石材グループの企業理念に沿って経営判断し、そして、先生方や諸先輩方に教えていただいた様々な知識や知恵を活用して、なんとか難局を乗り越えることができました。

結果として、会社には財産は残りませんでしたが、私自身が脳力開発で学んだ「絶対浮力」を体得することができました。そして、それらの数々の逆境や実体験から学んだ教訓を経て、この度、私自身の人生50年という節目に再び「人生理念」を探究し、理念を制定することができました。

今、理念を制定して率直に思うのは、私が11年前に理念探究をした際は、経験も未熟でしたし、人とのご縁や人に対する感謝の気持ちを持ち合わせていなかったので、「自分のために」やら「自分の会社のために」ということしか見ていませんでした。だから理念探究しても表面的で理想的なことしか書けず、その当時の私の姿がまさにその言葉に表れていると思いました。

しかし、よくよく考えてみると今回、理念の制定に至ったのは、これまでの理念探究の経験があったからこそ、心のどこかに「ぼんやりとした理念の種」のようなものを常に持ちながら数々の実体験を経て行ったため、理念を深く探究することができ、そして理念の制定に至ることができたのだと思います。意識して取り組んできたとは言えませんが、理念的な思考を持ちながら人生を歩むことで理念を少しでも深めることができたことは確かです。

最後に私が今強く思うのは「これからが本当の人生のはじまり」です。これからはどんな時でも常に理念に添った生き方をして、すばらしい人生を歩んで行きます

 

理念探究の感想・和木坂貴子

最初は、「理念探究」のお声がけを頂いたときは、私にできるのだろうかと不安やまだまだ私はそんな器ではないと思っておりました。ただ、経営者として数年が経ち、将来の目標やこうなりたいと言った確たるビジョンを持たずに日々過ごす中で、諸先輩方の人生の生き方を目の当たりに拝見しており、これではいけないとは常に感じてはおりました。折角お声を掛けて頂いたので、自分でも人生理念を探究したいと言う気持ちが大きくなり勉強させていただく事になりました。

初めは、「何の為の人生でありたいか」と問われた時に、目先の業務の事や会社経営の事しか考えられませんでした。しかし、時間が経つにつれ、自分が人としてもっと成長をしたいし、今まで私に携わって下さった方々に恩返しがしたいと言う気持ちが大きくなりました。三年間、天命舎で「次世代型経営者養成塾」で学ばせて頂いた時から、「真の自分とは何か」「成長することはどういうことか」を学んではいたのですが、日々の生活の中でこの事を常に意識はしなかったように思います。

理念探究をする中で少しずつではありますが、共に学んだ尚友達が経営者として益々成長をされていく姿を見て、私自身も強く確たる理念を持ちたいと思いました。しかし、その中で3年連続の大きな赤字を出したり、JAやお客様とのクレームを出したりと思う事と実際にやっている事の違いに悩まされる時期もあり、逃げ出したい、辞めてしまいたいと言った気持ちにもなりました。

それまでは問題等に直面した時は初代社長竹内さんに頼り、答えを出して貰っていて自ら行動を起こす事はしなかったのですが、これでは人としての成長はできないし、会社経営も上手く行くはずがない事に気づかされました。本当に自分の使命は何なのだろうか、深く探究する中でいろいろと気づきました。幸い、赤字も解消し無借金経営を目指すまでになりました。

私の知人にはお店の経営をしている人が沢山おります、今経営に困っている人もいます。その知人達に私が経験をした事を伝え教える事が出来、皆が幸せになれるようにと言った気持ちがだんだん大きくなってきました。そして、若者が自分の人生の目的を持ち、切り拓いていくお手伝いもしたいと思っております。これからの自分の人生が楽しみです。


脳力開発158号/理念の時代を生きる158号

脳力開発158号・アメリカ大統領選挙の現地報告

 アメリカ在住の友人マイク大谷氏に大統領選挙に関する関心事をメールで質問した。十三回のやりとりをまとめてみた。日本にいては理解できない点をも教えていただいた。

  • 簡単な紹介: マイク大谷氏・大学の二年後輩、大学ではラグビー部所属、卒業後熊谷組に入社、五年勤めて退社、アメリカに渡り、1982年鯖江のメガネフレームメーカー、シャルマン米国進出に際し入社、NY現地法人を設立し米国シャルマン社長としてアメリカ市場を開拓、シャルマンを世界有数のフレームメーカーに成長させた。1976年アメリカ人女性と結婚、還暦を前にシャルマン退社、2005年念願の牧場をテキサスにて購入しNYから移住した。日本人として稀有なアメリカでの牧場主となる。2010年ガンで奥様逝去。その後も牧場は40頭くらいの肉牛飼育、乗馬教室、ゲストハウスの運営を続けている。

 

★今回の大統領選挙に関する生な声を聞きたいと思った。また、アメリカ・メディアの実態に近づきたいと考え、参考資料も添付した上でお訊ねした。質問に丁寧に答えていただいた。大谷氏の見解を中心に、私の考えも添えてまとめてみることにした。

■「失われた報道の自由」を読んだ。そこにはメディアのもつ本来の役目から逸脱した事実が綴られている。アメリカのメディアは中立的な報道に訣別してイデオロギーを持ち込みそれに基づく報道が支配的になっている。

■アメリカの大手有名メディアは民主党のプロパガンダに成り下がっている。一時「ロシア疑惑」が大々的に取り上げられた。これも民主党とメディアが結託して流したニュースが発端でこの「ロシア疑惑」は「アメリカ主要メディアの民主党支持による偏向」が立証された。

 

Q・アメリカ・メディアの現状添付の図を少し大きくして挿入ください。

図・アメリカ・メディアを説明する資料です。区分けが非常に分かり易い。LEFT / LEAN LEFT / CENTER / LEAN RIGHT / RIGHT です。

・別添の分布図の如く、アメリカの偏向報道に染まるとバイアスのかかり方は日本のそれよりも遥かに過激になります。アメリカのメディアは政党色を明確にします。公共放送はないので基本的にはスポンサーが付きオーナーの意向が強く働きます。だからTVでいつも「どこのチャンネルを見てる?」と聞くと大体その人の支持政党が分かる。出来るだけ一つのニュースに対して少なくとも3~4つのメディアチェックが必要です!

新聞は日本のように全国紙はほとんどありませんが、先ず大きなサイズの都市なら民主党系と共和党系の二紙があります。私の感じではTVや新聞派は民主党系、SNS派は共和党系が多いですね。

 

Q・主要メディアの民主党支持は二〇一六年の選挙以前からあって、今回それが著しい。

・メディアを多く支配しているのは基本的に知識層、高学歴、進歩的かつ革新的考え、貧者弱者に優しい福祉政策支持、個人の自由尊重、大きな政府、相互扶助等の考えで民主党的です。その逆を行くのが共和党なのですが勿論そこは大企業が最大のスポンサーになっているので彼ら向けのメディアも勿論あります。ただ左寄りは大手の会社が多いのですが、右寄りでデカいのはFOXだけです。これが巨大で影響力がある。2016年を境にその違いは一気に先鋭化して来ましたね。

 

■日本のメディアへの見解

Q・日本の情報はテレビや新聞が中心ですが、これもニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、CNNやABCの焼き直しが中心ですが。

A・日本のTV局や新聞社はアメリカのどこのニュースソースからニュースを引いているかで報道に大きな違いが出てきます。日本の自称アメリカ通の国際政治評論家のいい加減さには呆れます。彼等はホント受け売りが多く綿密なる調査や勉強を怠っています。しかし日々刻々変わりつつある政治経済社会情勢など、こちらに住んでいるか、毎日膨大な生のニュースとかそれも右中左に亘って読むとか、あるいはまたSNSを駆使し大衆レベルでの動きを把握しないと正確な判断、理解は中々出来ず、正しい論評も出来ない。

 

Qこの四年間のトランプ大統領の功罪について

・私はかっては右寄り、しかし基本的には中道政治を良しとしています。しかしこの四年間はトランプ政治があまりにも酷かったその反動で今は左寄りになっていますが、バイデン政権になったら振り子の原理で中道に戻ります。(笑)従ってトランプに対してはかなり辛口批評になります。

・良かったことはありませんが、しいて挙げるならコロナ禍に襲われるまでの経済成長。雇用の創出、失業率の低下、株式市場の活況、戦争をしなかった。経済に関してはオバマ政権からの絶好調経済の遺産をそのまま引き継ぎ、大幅減税をすることによりその好調さを継続させました。反面国民の経済格差は激しくなる一方で人口の10%が国民の富の90%、僅か1%の人が富の50%を所有する、民主国家とは程遠い格差社会となった。

■問題点

TPP条約や気候変動のパリ協定やWHOからの離脱。イランとの核合意の反故、NAFTAの廃止、NATOとの関係悪化。同盟国友好国との軋轢、分断、対立。移民政策の失敗。白人至上主義やBLMに始まる人種問題の再燃とそれを扇動。

■最大の問題点はコロナ対応

国内での修復し難いあらゆる分野での分断・対立・分裂。そして極めつけはコロナに対する無為無策。感染者はやがて1000万人、死者は25万人。トランプ政権の怠慢以外の何物でもありません。死者数に至っては、第一次世界大戦+ベトナム戦争+朝鮮戦争+イラクアフガン戦争+同時多発テロの総数を遥かに凌駕する勢いです。

 

Q・今回バンデン七八〇〇万票トランプ七三〇〇万票と、前回に比べてもトランプも伸びています。両者ともオバマ大統領の得票を超えています。これは民主党一辺倒のメディアの作戦が期待したほど伸びずトランプは予想以上だったということの証左でもあるとは言えないでしょうか?

■トランプイズム

・前述したようにトランプの功罪は罪の方が遥かに多いのですが、その筆頭はトランプイズムと言われる層の増大ですね。彼等はポリティカル・コレクトネスとかAffirmative action(弱者集団の不利な状況を是正する改善措置)とかで虐げられて来た白人の貧困層、低学歴層の連中の不平・不満・不平等感・不幸せ感・近未来にマイノリティとなる恐怖感を巧みに吸い上げた。

A・トランプが敗北宣言をしないのも、手当たり次第に不正選挙だと訴訟したり、再集計させたりしているのは、この7300万人の連中の為のガス抜きをしているように思えてなりません。裁判までやって判決が出れば好むと好まざるにかかわらずそれに従って行くのがアメリカ社会です。そこの部分だけは大人なんです。そしてフェアに扱われることに最も重きを置く国民性なんですよね。

注★この見方とは異なるが、大統領選挙に関してアメリカのマスメディアはこぞってトランプを非難し、国民の支持率が低いことを強調してきたが、八月末の共和党大会以降、支持率の上で大きな差をつけられていたバイデンに追いつきそうだという気配を見せ始めた。(日高義樹・ハドソン研究所首席研究員)トランプがその後ここまでバイデンを追い込んだという見方もできる。

 

Q・アメリカフアーストの弊害もあるとは思いますが、トランプ以前までアメリカ&EU各国は経済を重視で、中国に対しては甘い政策をとってきた。しかし、このコロナと台湾・香港人権問題で初めて中国に対しての認識を変えてきたのが現状ですね。

・実はトランプの「アメリカファースト」のコンセプトがもたらした弊害が物凄く大きい。(自分だけよければいい)(今さへ良ければいい)(金さへ儲かればいい)と言った所謂「三だけ主義」が国や個人レベルまで浸透してきた感じで、あちらこちらで軋みや歪みが出始めています。「自分だけよければいい」と言う風潮は由々しき問題だと私は思っています。

 

Q・トランプのキャラクターはともかくとしてコロナが発生しなければ、トランプに対しての印象は悪くなかったのではないのでしょうか?

・トランプ功罪善悪の印象は真っ二つですね!国は既に2016年の前回大統領選挙以来、以前もソフトな感じの分断がされていたのですが、トランプ就任以後彼が意図的に分断対立を扇動したのでその度合いは遥かに激しさを増し、もう生半可なことでは修復不可能な状態になっています。

Q・日本も朝日、毎日、民放、NHK等はバイデン勝利の予想で、トラプ再選は少数派でした。前回もそうでしたか。

A・はい、事前予想は毎回大方民主党候補寄りの世論誘導が普通です。前回はクリントン圧勝の予想が大外れだった。彼女は個人的なキャラの問題で民主党内でも嫌われていましたから、アンチクリントン票がトランプに流れたこともあります。今回はバイデンにも言えますね。トランプはキャラの問題で共和党内でも隠れアンチ派がかなりいたようですから、その票がバイデンに流れた可能性大です。特に女性や高年齢層です。

 

Q・民主党メディアの言論誘導+コロナでバイデンが選ばれたという認識ですが。

・当たらずとも遠からずです。トランプの政治手法は色々と問題がありましたが、コロナ禍が無かったら恐らくバイデン相手なら圧勝していたことでしょう。メディアの偏向報道はあるものの、メディアをあそこ迄徹底的にけなし彼等を敵にした。そこはストレートに物言うトランプの大いなる減点ですよね。

・コロナ対策は誠にお粗末につきます。情報の隠ぺいや改竄、科学を信じず強い男のパーフォマンスからマスク不着用感染者・死亡者が日々刻々増加しているのに三蜜やソーシャルディスタンスを無視しての選挙集会、そこからの感染者発生やホワイトハウスのクラスター。これでは国民に愛想をつかされて当然です。良識ある国民はトランプとの対比でバイデンに軍配を上げたのだと思っています。

 

Qバイデン、民主党は対中政策を維持できるのか?

・トランプとバイデンは表向き政策や外交手腕は真逆な感じがしますが、中国に対しては彼等を含め世界中がその台頭に脅威を抱いていることに変わりはありません。バイデン・ハリス政権は中国には甘くなるとの危惧がありますが、習近平にとっては単純なトランプより遥かにやりにくい相手だと思います。何故ならバイデンは中国が最も嫌がる人権問題を持ち出してくるからです。習近平と裏取引をするようなことはしないでしょう。

★トランプ政権の対中政策、土台になっている法律の多くは、議会が超党派で成立させたものであるため、バンデン政権が誕生しても、変わらない。また、民主党は人権に関しては非常に敏感である。

 

■まとめ・感想

★今回のインタビューでアメリカ主要メディアの民主党偏向の実態と併せて日本のメディアへの辛辣な感想をお聞きした。また、トランプの虐げられてきた白人層も大谷さんの目から見た問題点と指摘された。二〇一六年以前からアメリカ社会の分断を言われていたが、大谷氏の指摘によるとそれまでは大統領選挙後は民主党・共和党は一体となってその後はトランプ政権のように分断はなかったと指摘している。

★民主党ビル・クリントン政権(一九九三年~二〇〇一年)はアメリカ経済を重工業からITハイテクに重点を移し史上最長の好景気をもたらした。既に一九八九年から日米構造協議がもたれていたが、クリントン政権で円高政策が強力に進められ、銀行への公的資金投入、スーパー301条に基づいた市場開放や内政干渉を日本政府に要求した。その後日本のデフレは一九九八年以降長期にわたって続いた。

★クリントン民主党の対中宥和政策が中国の台頭を許してきた。また、ヒラリークリントンの中国との癒着も酷いものだった。同時に日本の長期にわたるデフレ不況に強い影響を与えてきた。そのデフレ状況を脱皮させたのが、オバマ政権初期には歴史修正主義であると批判された安倍総理だったが、その後の七年八カ月で日本の自信を取り戻した。朝日新聞の世論調査ですら、七十一%の読者がよくやったと評価している。(悦司)

 

脳力開発158号・侵略される日本への対応が始まる。

155号で日本の国土が海外から自由に買えることができるということを報告した。11月やっと政府が立ち上がって日本の国土の買収の調査を開始していたことが報告された。前回の記事の一部を紹介し、その後の日本の対応を確認したい。

■前回の記事・国土の侵略・日本の不動産が外国から狙われている

  • 誰でも買え、全く自由に転売できる。外国人なら保有税を支払わなくても済む。
  • 不動産売買が世界一フリーで、かつ所有者、使用者権利が国内外差別なく保障されている。
  • 「アジア太平洋地域で不動産投資に開示規制がないのは日本だけ」

■北海道で平成30年一年間で買収された物件

  • 森林21件 広さ108ha 東京ドーム23個で内中国 11件91ha 東京ドーム19個
  • 北海道森林買収の現在は中国資本 57% でシンガポール含む86%

林野庁北海道庁によると外国資本で買収された森林は累計2,726ha東京ドーム529個。中国資本に買われた北海道の土地 推定70,000ha山手線の内側11倍以上

 

■中国資本買収が80カ所 安保上重要な施設・離島 政府調査(ブルー)

  • 中国系資本が何らかの形で関与した疑いがある安全保障上重要な土地の買収件数が全国で約80カ所に上るとの調査を政府関係機関がまとめていた。11月7日に判明。政府は来年1月の通常国会で、防衛施設や国境離島などの土地購入に関して政府の調査権限や届け出義務を盛り込んだ法案の提出を目指している。中国系資本による土地買収の実態が明らかになったことで法整備の動きが加速しそうだ。
  • 防衛施設の周辺10キロ以内や国境離島にある土地で、リゾート施設やマンションの建設などの目的で中国系資本が直接、間接的に買収に関与した疑いがある土地の件数を政府関係機関が調査した。結果、今年10月までの時点で少なくとも全国に約80カ所あることを把握した。
  • 再生可能エネルギー発電事業者として中国系資本が何らかの形で買収に関与したとみられる土地が全国約1700カ所に上ることも判明。この中には防衛施設周辺などの安全保障上重要な土地も含まれ、約80カ所と一部重複する。
  • 調査結果は内閣府を通じ、10月に首相官邸に報告された。現状では森林や農地の事後届け出を除き政府に土地買収者について調べる権限がなく、その手段も限られている。9日から始まる有識者会議では外資による安全保障上重要な土地買収の実態についても議題となる。
  • 法整備では関係閣僚会議を新設し、防衛施設の周辺地や国境離島に関する各省庁や自治体の調査結果を集約。一部区域を指定し、土地購入者に国籍などを事前に国に届け出ることを義務付ける。調査結果次第では閣僚会議で法規制の強化を検討する。(産経新聞)

★やっと重い腰を上げかけたかという段階だが、日本政府の対応遅すぎるぐらいだ。如何に今後対応していくかを注視する必要がある。

 

理念の時代を生きる158号

コロナで露呈した「日本人の国家意識」愛国心・金美齢

11月の理念実践会で金美齢氏の「愛国心」を輪読した。そのポイントレビューを掲載する。コロナ禍で露呈した日本人の問題を、愛情をもって書き記してくれている。コロナ禍があればこそ気がついた日本人の真剣に向き合わなくてはならない課題だといえよう。

国家意識に触れず「公助」ばかりを煽るメディア

  1. 危機には「自助、共助、公助」の順で対応すべきです。政府が国民に対して国としてできる限りのことをするのは当然で、国民の側も、自分でできることはできる限り自分でするのが当たり前で、「一人ひとりが社会や国家を作っている」ことを忘れてはなりません。

国旗・国歌を否定してきた左翼メディア

  1. 日本では、公立学校の教師が入学式や卒業式といった式典の場面で、国旗に敬意を払わない、国歌である「君が代」を歌わないといったケースが今もあります。「学校で国歌を習わなかったし、歌ったこともない」「大人になって初めて『君が代』を歌った」という人たちもいる。P25

「国歌を知ることも『日本代表の務め』」と言ったリーチ・マイケル

  1. 「君が代の中身を自分たちにつなげ、理解して歌わなければ。より良い試合をするためにも、チームに日本を愛する感情を作らないといけない」というリーチ・マイケル選手の言葉は実に印象的です。P27

「嫌がる人がいるから日の丸を振るな」という朝日新聞の社説

  1. 国旗に準ずる旭日旗に関して、朝日新聞は「嫌がる人がいるものをわざわざ振るな」というわけです。日の丸と旭日旗を並べて微妙に論点をすり替えていますが、韓国や中国が「日の丸を掲げる行為そのものが、侵略戦争の暗い記憶を呼び起こす〉」と言っている以上、日の丸までも引っ込めなければならないことになります。P32

日本人が知らないケネディ大統領の名演説

  1. 国家と国民が対等でフェアな関係を築くためには、本来であれば「国が自分のために何をしてくれるのか」だけではなく、「自分は国のために何ができるのか」を考えなければなりません。しかし日本では、社会保障や国による保障を声高に叫ぶ人に限って、「国への貢献」には否定的です。P46

「国家嫌い」の左翼は「自衛隊差別」を許容してきた

  1. 今や自衛隊は日本国民から最も信頼を得る組織になりました。しかしそれでもまだ、憲法では「軍隊ではない」とされたままで、あえて自衛隊を評価するような記事は、朝日新聞には掲載されない。「自衛隊の第一義は災害派遣にあらず、外敵から国家・国民を守ることである」ことすら、国民が十分に理解しているとは言いがたい。P51

国家の恩恵を受けながら国家を否定する人たち

  1. 外国に行く際にビザの取得を、日本は多くの国で免除されているのです。それは日本という国家が、他国から信用されているからです。国家の恩恵を受けながら、国家に対する悪口三昧で自分の責任は果たそうとせず、権利だけは声高に主張するような人たちは、「大嫌いな・否定すべき国家」に甘え切ってる。P56

この国のために、何ができるのかを考えよ

  1. 生まれながらの日本人も、日本国籍を持っているだけでは本当の意味では「日本人」になれないと知るべきです。言語を知り、歴史を知り、自分がこの国の存在のために何ができるのかを考えて初めて、日本人に「なる」ことができるのではないでしょうか。P61

■脆弱な国家・台湾の光と影

日本統治時代・台湾人にも優しかった日本人教師

  1. 日本の台湾統治は、欧米が各地で行ってきた植民地支配とは違うものでした。特に違っていたのは、被植民地住人に対して高度な教育を施したことです。台湾の津々浦々に学校を作り、日本人の先生たちは実に熱心に、日本人と台湾人で区別することなく、子供たちの教育にあたりました。P108

「国民党支配」・台湾に暗い影を落とした「二・二八事件」

  1. 将来有望な学生たち、医者や学者といったエリートを中心に、台湾の知識層が一掃されました。国民党政府の真の狙いは、将来台湾のリーダーになり得る人々を消し、自分たちが台湾を支配する側に立った。このとき敷かれた戒厳令は三十八年にわたって継続することとなり、その間、日本の教育を受けた本省人の中でも知的エリート層がことごとく投獄・殺害されました。P118

「李登輝総統誕生」で台湾に初めて光が差した

  1. 台湾で本当の台湾の歴史を教えるようになったのは、李登輝さんが総統になって『認識台湾』という歴史教科書をつくったからです。この教科書では、一時台湾で行われていた「日本時代を忘れよ」とする悪しき教育を是正し、日本統治時代の正当な評価を含む台湾の真の歴史を教える内容になっています。P134

「台湾」が認識された東日本大震災の支援

  1. 民間レベルで日台交流の動きが加速したのは、東日本大震災において、台湾が「日本加油」と声援を送り、多大な義援金を贈った台湾人の思いに、ようやく日本人が気づくことができた。P174
  2. 当時の民主党政権下の日本政府は台湾からの義援金を受け取りながら、「お礼広告」を台湾の新聞には掲載しませんでした。米英仏韓露中、六カ国の新聞には掲載したのにもかかわらず、です。P175

安倍総理が史上初めて「台湾」に言及

  1. 安倍総理は戦後七十年談話で、歴史的に日本が迷惑をかけたという文脈で「東アジアの国々、台湾、韓国、中国」と「台湾」という言葉を政府の公式声明で使った。日本の総理が「台湾」を国家として公的に表現したのは戦後初めてだった。P179

安倍総理が「台湾加油」とエールを送った台湾東部地震

  1. 安倍総理も自ら、「東日本大震災では、古くからの友人である台湾の皆さんから、心温まる支援を頂きました。この大切な友人の困難に際してできる限りの支援を行っていく考えです」というメッセージを送り、蔡英文総統も「まさかの時の友は真の友」とお礼を返信した。この時、日台は「真の友」になったと感じた。P181

日本人誰もが会いたかった蔡焜燦さんの「日本精神」

  1. 蔡さんの生き方、考え方そのものが日台親善、日台友好のシンボルでした。フェアに物事を見て、日本統治時代の台湾についても、いいことはいいと主張する。「台湾人の日本精神」の中でも、当時の日本人が台湾でいかに高度で公平な教育を行っていたか、書き残しています。蔡さんは「元日本人」として、「現日本人」に母国の歴史を知ってほしかったのです。P200

「元日本人」から「現日本人」への思いは受け継がれた

  1. 1990年代に「親日家」を通り越して「愛日家」を名乗った蔡さんの生き方は、日台関係に非常にいい影響を及ぼしています。今では台湾人の八人に一人が日本を訪れるようになり、日本からも多くの観光客が台湾に行くようになりました。P201
  2. 素晴らしかった日本統治時代の記憶の継承と、これからの日台関係、そして互いの国民同士の心の紐帯。良好な日台関係の根底にあるのは、こうした「日台が歴史を共有した記憶」なのです。日本人が忘れてしまった、あるいは教えられていない「日台が共に歩んだ時代」を取り戻すことが、現在の日台関係の礎となっているのです。p201

台湾人が見つけた「日本精神」

  1. 台湾では、この様な日本の価値を「日本精神」と言ってきました。日本人一人ひとりの、ルールやマナーを順守する姿勢、日々の仕事に取り組む姿勢といったささやかな心掛けや振る舞いそのものが、日本に対する諸外国からの「信頼」を醸成しているのです。台湾人が「日本精神」と言うとき、それは戦前の日本人が持っていた「清潔」「公正」「勤勉」「信頼」「責任感」「正直」「規律遵守」「滅私奉公」といった価値観を指します。238