脳力開発192号
青少年合宿卒業生の近況
今から13年ほど前から青少年夏季合宿を天命舎に通っている経営者の子弟を中心に3泊4日の日程で開催していた。孫も小学校1年生のなった時から参加している。その時の参加者も社会人の一年目を迎える年齢になった。孫も大学生になった。いずれ彼らに近況を書いてもらうことにしました。最初の登場は社会人になった須田耀介にお願いした。彼は慶應義塾大学総合政策学部しEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社に勤めることになっている。
報告・一月の海外旅行
- アジアから出たことが無かった私は、単純な好奇心と海外を知らない不安から、なんとなく留学してみたい、と感じていた。就職まで持て余した暇に背中を押され2023年7/15、1ヶ月のヨーロッパ旅がスタートした。
■目次 一回目ベトナム イギリス 二回目 オランダ ベルギー 三回目 フランス イタリア 四回目 スイス ドイツ 五回目 チェコ トルコ
■1カ国目ハノイ/ベトナム
成田空港からイギリスに行くためのトランジットで訪れた国。
太陽の光が強く、とにかく暑い。そのためかサングラスの着用率が日本と比べて圧倒的に高く、メガネ屋もそこら中に見かけた。
もう一つ特徴的だったのは、交通量の多さ。車道いっぱいにバイクが走っており、運転者は全員スマホ見ながら運転。
日本とベトナムの交通事故の数にどれくらい違いがあるのか知りたくなった。
空港近くの宿に泊まることになったが、近くのご飯屋さんでクレジットカードが使える場所が無く、お腹を空かしながら翌朝の空港での朝ごはんを待った。(翌朝空港で食べたチキンヌードルは空腹のおかげもあって感動するほど美味しかった。)
ハノイ空港からロンドン行きの飛行機に乗り込むと、隣の座席に座った40代くらいのおじさんが話しかけてきた。
ペルー出身で現在はロンドンに住んでいるコンサルタントだと言う。私もコンサルタントになるのだと話すと「英語を学べば道は開ける」とアドバイスをもらった。
おしゃべり好きのおじさんは5時間ほど喋り続けてた後、疲れたのか寝てしまった。
■2カ国目ロンドン/イギリス
ロンドンの空港は入国審査が厳しいと噂されていたのでハラハラしていたが、無人ゲートで何事もなく通過。ロンドンで円とポンドの両替をしたが改めて円の価値の低さに驚いた。
暑くなく寒くなく、気候は最高なロンドン。初日は韓国出身ロンドン在住の女性が貸し出すAirbnbに宿泊したが、駅まで迎えにきてくれたり、テスコ(イギリスのスーパーマーケット)に寄ってくれたり至れり尽くせりで快適だった。
夜21:00、そろそろ寝ようかと外を見るも昼間のように空が明るい。夜22:00になっても変わる様子がない。サマータイムと言って昼間が長い時期だと知ったが非常に驚いた。
理念の時代を生きる192号
続・安倍晋三の歴史戦。西岡力・阿比留瑠比
■歴史認識問題は「匍匐前進で行くしかない」安倍総理
今回、安倍総理がかかげた「戦後レジームからの脱却」の10年を事実に基づき検証する過程であらためて安倍総理の戦略の揺るぎない姿を見ることができます。そして安倍総理の外交、政治のよって戦後GHQに洗脳されてきた日本の歴史を粘り強く世界に向けて、また日本国民に向けて訂正してきた事実・政治的業績が蘇って来ます。
国民が洗脳されてきた自虐史観から脱皮させるためには膨大なエネルギーと揺るぎない意志・決意・戦略が必要です。先月に引き続き今月も検討したいと思います。是非お読みください。先月の第二章と第四章の骨子を併記します。
第二章 平気で嘘をつくNHK ブルー
■元外交官田中均氏とNHKの嘘
■外務省のひどすぎる対応
■「サスピシャス・ガイ」疑わしい人間・田中元外交官
■被害者を北に返そうとした田中均氏
■福田康夫氏の嘘
■田中氏を持ち上げるメディ
第四章 外務省の敗北主義 ブルー青
■「敗北主義」だった日本
■戦わない外務省
■「クマラスワミ報告書」
■マスコミも政治家も
歴史問題に関する議論できる知識がなかった
阿比留;外務省が何故そうなのかというと、一つはほとんどの人が、基本的に歴史問題に関する知識がないからです。慰安婦問題も南京事件も、関心を持って調べたり追及したりしません。議論できるだけの知識がないから闘うことを避けた。ある大使経験者は「外務省は日本社会の縮図で、左翼もいれば創価学会会員もいる。まず省内でそういう相手言い負かさないと前に進めない」と話しています。p161
西岡:もう一つはこれまでに歴史問題で更迭された政治家がいっぱいいたということもあるでしょう。マスコミが言葉狩りの様なことをして歴史問題で辞任しているのを目の当たりにしているから腰が引けてしまうのです。自分たちを守ってくれる政治家が先にでて、外務省に「やれ」と言うのならいいですが「戦うことはしない」という方針が国是のようになっている。P164
■歴史認識問題は「匍匐前進で行くしかない」安倍総理
- 安倍総理の戦略
「保守で10年つなぐ」・霞が関の官僚を変える
- 阿比留:安倍さんは保守政権で一〇年つなげば霞が関の官僚は賢いから、保守派でなければ出世が出来ないと考えて保守の勉強をするだろう、そうすれば保守が日本全体に波及すると安倍総理は考えていたのです。その間に外務省の体制はがらっと変わった。P16
- 阿比留:昔の外務省は歴史認識問題で他国と議論することを避けていて、比較的まともな考えを持った人ですら、慰安婦問題をはじめ歴史問題は頭を低くしてやり過ごそうとする姿勢でした。それが目に見えてはっきり変わってきたのです。P16
- 西岡:安倍さんの側近は外務省の人たちに「総理は本気だぞ。しっかりやらないと飛ばされる」と檄を飛ばした。安倍さんは官邸のスタッフに対して同志を重視し登用した。「自分にとって同志こそ核心だが、官僚には同志は少ない。同志をずっとそばに置いてこういう風に仕事をやる」歴史戦、特に慰安婦問題で強力に戦える体制になった。
- 阿比留:安倍さんは「村山談話」を引き継ぐと言ったが、一方で外務省には「村山談話を引用するな」と指示した。戦後七〇年の「安倍談話」によって完全に上書きし「村山談話」を無意味なものにした。
- 西岡:「河野談話」が作られた過程を検証し、韓国側から「とにかく強制を認めて欲しい」と要請があったから、日本側は仕方なく、強制の定義を広げて「慰安婦の募集は本人の意思に反するものであったために強制だった」というふうに書いたということです。つまり、「河野談話」は外交的な文書で、歴史的事実を書いた文書ではありません。P19
■戦略的な体制作り・安倍総理の戦い方「先圧力・後交渉」
- 西岡:安倍さんは戦略的な人で、第一次政権ができると、すぐに政府に拉致問題対策本部を造り新たに拉致問題担当大臣を置いた。今でも自民党本部玄関に「自民党・北朝鮮による拉致問題対策本部」という看板が掲げられている。国会にも特別委員会がある。自分一人の力だけではダメだというのが安倍さんの動き方です。p20
- 西岡:「けしからん、制裁しろ」と、ただいうのではなく、「先圧力・後交渉」が重要です。これは安部さんの戦略的な考え方から出てきたものです。さらに官房長官時代に戦略的な法律が成立し、成立後は、政府、地方公共団体が取り組まなければならなくなった。P23
■安倍総理からの説明
- 西岡:「オバマ大統領の政策は『戦力的忍耐』だった。しかし、これによって北朝鮮に時間稼ぎを許してしまい、北朝鮮に安心感を与えてしまった。しかしトランプ大統領は違う。ブッシュ大統領と同じように強い圧力をかけようとしている。アメリカのトランプ大統領に首脳会談で拉致の重要性を説明して、拉致問題解決で認識が完全に一致したことの意味は大きい。P29
- 西岡:「交渉のための交渉はだめだ。交渉を始めるために制裁を緩めてはいけない。緩めるのは被害者を帰すという決断をした時だ。皆さんが期限を定めて解決を求めることは理解できる。それが北朝鮮への圧力となる。ただ、政府が期限を定めると、その期限が過ぎたら交渉を打ち切るとか、軍事攻撃をするとか、かなり厳しいことを行うことが前提となる。だから期限を定めない。理解してほしい」このように考えているのだと安倍さんは説明してくれた。P30
■野党とメディアの侮辱・横田滋さんの発言
- 阿比留:「北朝鮮問題が一丁目一番地で考えていたのに、何も動いていないじゃないかというような発言を、メディアを私も見て耳にしておりますけれども、安倍政権が問題なのではなくて、40年以上も何もしてこなかった政治家や、「北朝鮮なんて拉致なんかしてるはずないでしょ」と言ってきたメディアがあったから、ここまで安倍総理、安倍政権が苦しんでいるんです。安倍総理、安倍政権は動いて下さっています。P34
■バイデン政権のブルーリボンバッジ・日本の国家意思を研究
- 西岡:菅総理は「バイデン政権は菅政権が何を望んでいるか研究を重ねている。ブルーリボンは私を含む日本国民が一番喜ぶだろうと考えたのでしょう」と述べています。日米の間で拉致が重要課題として位置づけられたままであるという証左です。
- 阿比留:そのときのリーダーが何を重視しているのかというメッセージを打ち出すことは、非常に重要です。安倍さんはよく「国家意思を示すことが大事だ」とも言っていました。中国の習近平国家主席と会談した際には尖閣諸島をめぐって「日本の覚悟を見誤らないようにしたほうがいい」「私の島に手を出してはいけない」と釘を刺したように。P40
■歴史戦に取り込む部署・内閣官房副長官補室と歴史担当首相補佐官
- 西岡:安倍さんは「歴史戦」について政府の中で専門で取り組む部署を作った。岸田政権の状況に不安を感じた私は、令和三年秋に国家基本問題研究所が発表した政策提言を持参し、高市早苗政調会長室を訪ねました。その政策提言「歴史認識に関する国際広報体制を強化せよ」はこのようなものです。
一 首相官邸の副長官補室で展開してきた「事実関係に踏み込んだ体系的歴史認識の国際広報」を継続強化せよ。
二 歴史広報における官民協力体制を一層強化発展させよ。
三 中国にも反論せよ。「戦前の日本はジェノサイドや人道に対する罪は犯していない」という事実を歴史広報の柱にせよ。
四 韓国の労働者、慰安婦賠償要求は国際法違反だ。一切譲歩せず、歴史的事実に踏み込んだ国際広報を強化せよ。P42.43
■安部元総理の死で変わった・岸田政権も腹を決めた
- 阿比留:岸田総理の歴史問題への取り組みは安倍総理が亡くなる前と後では変わりました。安倍総理の国葬儀の弔辞で、教育基本法の改正や防衛庁の昇格、国民投票法の制定など第一次安倍内閣の実績を踏まえて「戦後レジームから脱却」に言及しました。岸田政権は外交・安全保障の考え方は同じです。歴史認識でも、その方向性は大きく違っていないと思います。何より、左派マスコミや文化人が一番嫌った「戦後レジュームからの脱却」という言葉を用いたことに、腹を決めたのだなという印象を受けました。P47
■レールに乗れば・国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画を閣議決定
- 阿比留:対米外交は安倍さんが敷いた路線を踏襲されています。親中派の林芳正さんを外務大臣に任命してアメリカに警戒されましたが、2023年ワシントン訪問の時バイデン大統領に大歓迎されました。防衛費をGDP比2%にすると閣議決定したからです。P49
- 西岡:岸田政権は二〇二二年「安保三文書」(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)を閣議決定した。防衛費増額する路線は21年4月菅総理訪問時にすでに大枠は決まっていた。その時の共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性」が盛り込まれた。岸田政権に求められるのは、アメリカが自由世界を守るリーダーとしての役割を果たし続けるようアメリカを引っ張っていくことです。P50
- 阿比留:中国がアメリカと全面戦争をするのは想定しにくいとしても、日本を攻撃することは十分に想定できます。台湾に侵攻する際には、台湾防衛のためだとして台湾の東側に位置する尖閣諸島も占領しようとするでしょう。沖縄本島の米軍基地を狙う可能性も高い。中国の今の動向は、日本にとって最大の危機です。P52
★安倍総理の構想した日本の意思を安倍総理亡き後、岸田総理の言葉とは裏腹に宏池会の林外務大臣を登用したり釈然としない姿勢が見られたが、世界の情勢変化に伴い、次第に腹を括ったようだ。九月の内閣改造にもその変化がみられる。
第五章 安倍総理の歴史戦
■「二五年戦争」1997年から25年
- 西岡:慰安婦問題は1991年に朝日新聞が社を挙げて捏造キャンペーンを行い、翌年92年1月に宮沢喜一総理が訪韓したときに八回謝ったことで急浮上した問題です。一時は日本中が旧日本軍による強制連行はあったのだと信じてしまいました。それが、韓国にも伝播し、「これは使える」と考えた北朝鮮は、「韓国挺身隊問題対策協議会」を呼んで平壌で会議を開いたりしていました。左翼の勢いがつきすぎて、中学校のすべての検定済み歴史教科書に「従軍慰安婦」や「連行」あるいは「強制連行」という言葉が入ってしまいました。P166
- 西岡:そして、1997年2月に「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」を立ち上げたのです。今から25年前です。当時、自民党はリベラル勢力が全盛で、野中広務さんや加藤紘一さんなどが力を持っていました。安倍さんは一人で立ち向かうのではなく、中川昭一さんにトップになって貰い、「若手議員の会」が発足した。当時の名簿を見ると、菅義偉さんを始め衛藤晟一さん他が加わり、強制連行があったと主張する吉見義明教授や反対する藤岡信勝教授、石原信雄元官房長官、最後は河野洋平さんを呼んで徹底的に議論しました。P168
■安倍さんは最初から「でっち上げ」と主張
- 西岡:勉強会を八回開催し、賛否の立場からなる講師のご意見、さらに資料を検討した結果、軍、政府による強制連行の事実を示す資料は、二次にわたる政府調査、各民間団体の執拗な調査によっても、まったく発見されなかったこと(調査の責任者であった石原前官房副長官も明確に証言、吉見教授もそのことは認めている)、従軍慰安婦騒動のきっかけを作った吉田清治氏の済州島での慰安婦狩り証言とその著書と、それを紹介した朝日新聞の記事、また朝日新聞の「女子挺身隊を慰安婦にした」との大々的報道、いずれもまったくのでっち上げである事が解りました。P169
■一人で戦った安倍総理・じわじわと切り崩していく
- 阿比留:安倍さんは河野談話や村山談話を継承すると公言した後、「就任して直ちにこれらの談話を否定したら、公明党の存在や自民党内の勢力関係を見ても、政権はすぐに倒れてしまう。保守派からの批判は避けられないが、私たちは冷静に現実の政治情勢を見極め、今は着々と力をつけ、じわじわと切り崩していくしかない」と述べていました。安倍さんは常に政治情勢を冷静に判断し、一歩ずつ前進することを考えていたのです。P172
■「ネットがなかったら」・国民に直接訴えた
- 阿比留:慰安婦問題で言えば、秦郁彦さんが済州島に行って調査し、その結果、強制連行の証拠はないことが明らかになりました。これを聞いた産経新聞記者で私たちの恩師に当たる石川永穂さんが、1992(平成4)年4月の段階で、社会面トップで記事を書きました。朝日新聞はそれを黙殺しました。P186
- 西岡:二〇一四年、朝日新聞誤報認定です。ネット社会になって朝日新聞の誤報した慰安婦について、日本の名誉が傷つけられたという、批判がじわじわ広がって生きました。p186
- 西岡:反安倍の急先鋒の朝日新聞が、嘘の吉田清治証言で批判を浴び、さらに東京電力福島原発の吉田昌郎元所長に対する聴取記録「吉田調書」で「所長の九割が命令違反で撤退した」と誤算して、大変な非難にさらされました。これで慰安婦問題ついてもやはり朝日新聞はおかしかったのだということが世間に明らかになりました。P187
■日本人が「性奴隷」を広めた
- 西岡:韓国の通信社が12歳の小学六年生の女の子までが女子挺身隊として動員され、性の慰み者にされたという記事を報じたことです。女子挺身隊というのは勤労動員です。私が調べたところ、女の子の派遣先は慰安所などではなく、富山県の軍需工場でした。P193
- 西岡:記事を書いた韓国の記者に会った。最初のころは日本の戦争犯罪はけしからんと思っていたそうですが、真実が分ってもそのままにしていたのは、本当のことを書いてしまうと韓国社会の中で自分自身が非難されてしまうと心配になったからだそうです。当時の韓国は左派が全盛期であり、今では考えられないような強い社会的圧力が存在しました。P194
- 西岡:左派は慰安婦問題を海外に広げていった。一九九二年戸塚悦郎弁護士(セックス・スレーブは俺がつくったと自慢している)がジュネーブの国連人権委員会に慰安婦問題を持ち込んだ。実は裏には日本人が関わっていたのです。そして国際社会に対するアピールで、日本は負けてしまったのです。P196h
★9月沖縄の玉城知事がジュネーブ国連委員会に持ち込んで「米国基地の存在が県民の生活を圧迫し、平和を脅かしている」と発言しようとしたのも関係NGOです。
■10億円という手切れ金・Moral High Ground(道徳的に優位な地位)
- 阿比留:第二次安倍政権になり、日韓は2015年に「最終的かつ不可逆的に解決」することを約束した慰安婦合意を発表し、日本は元慰安婦支援のため設立する財団に10億円を拠出することを決まました。p197
- 阿比留:日本政府は慰安婦合意の翌年夏、韓国政府が設置する財団に10億円を拠出しましたが、韓国側が合意を反故にしたため失敗だったとの見方が出ました。この件について安倍さんは、確かに合意は破られてしまいましたが、日本が外交上Moral High Ground(道徳的に優位な地位)になったのは事実です。P199
- 阿比留:今でも10億円拠出を批判する人がいます。しかし政治や外交においては100対0で勝つことはありません。外交では十分に勝っていると思いますから、拠出は良かったと思います。P201
第六章 70年談話・日本も反論する国へ
■「70年談話」を批判することは
- 阿比留:安倍さんは、早い段階から西ドイツのワイツゼッカー大統領の、敗戦から40年目に行った演説「荒れ野の40年」に着目し、参考にする事を決めていた。それを骨格とし、談話では日本人が未来永劫謝罪を続ける必要がないことを示しました。P208
- 阿比留:安倍談話では「日本では、戦後生まれの世代が、今や人口の8割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べられています。P209
■「70年談話」「村山談話」の上書き・謝罪外交との訣別宣言
- 阿比留:「70年談話」は「村山談話」を上書きしました。欧米諸国のアジア植民地化の過程を描いた上で日露戦争が多くの植民地の人々を勇気づけた事など、これまでの政府文書にはない記述がありました。私たち日本人は謙虚な気持ちで過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任がありますと、謝罪外交との訣別宣言をしたのです。P210
■安倍総理がさせられた尻拭い・教科書誤報事件と近隣諸国条項
- 西岡:文部省が歴史教科書の「侵略」を「進出」に書き変えたといったマスコミの誤報により、中国、韓国は日本から経済協力資金を得る為の「反日」キャンペーンを展開した。日本は歴史問題が外交問題に発展すると、謝罪してしまう。宮沢喜一総理の責任で策定した近隣諸国条例が問題だった。P214
- 阿比留:教科書誤報事件と近隣諸国条項をきっかけに中韓への配慮が必要というコンセンサスが政府与党内に広がり、それが利用されて「自虐史観の日本」が出来上がった。その後、自民党が社会党、新党さきがけと連立し、村山富市首相を担いだ為、より左派色が濃くなってしまった。P218
■対中国「歴史戦」・南京事件は「ジェノサイド」ではない
- 西岡:二〇二一年、中国のウイグル人に対する人権侵害を日本政府が懸念表明したとたん「南京事件こそジェノサイドだ」と日本を非難しました。国際社会や東京裁判でもジェノサイドとの認定はされていない、南京事件については「ジェノサイド」ではないという事実を広める必要があります。これを強化しなければ、中国はもっと圧力をかけてきます。岸田政権にはそのための備えが不十分である。P224
■「反論しない国」から「反論する国」へ
- 西岡:韓国内の反日勢力はかつての十分の一くらいに力が落ちました。正義連の反日集会の参加者を慰安婦像撤去、正義連解体を求めるアンチ反日派の参加者数が上回るようになりました。安倍さんの蒔いたタネがようやく発芽して、韓国でも真実の上にこそ日韓の友好があると明言する人々が出てきました。P227
- 西岡:挺身隊問題解決対策協議会(挺対協)の代表だった尹 美香(ユン・ミヒャン)は2016年韓国国会議員に当選したが横領で起訴され有罪判決を受けた。90年初めから一緒に運動していた元慰安婦の李 容洙(イ・ヨンス)は尹 美香を「慰安婦のための募金を使っていない」と非難して「挺対協」の組織は権威を失墜した。
- 西岡:韓国が日本を批判することが永遠に続くのは、価値観の違いで避けられないでしょうが、安倍さんが日本の戦後を終結させた指導者だったと思います。謝罪を続ける宿命を断ち切って、「反論しない国」から「反論する国」に変わりました。P228