脳力開発144号・韓国民の反日の根源に迫る。
■韓国戦後史の真実
- 143号で戦後74年・全てはGHQの言論統制から始まったというタイトルで、北朝鮮と韓国の現実的な付き合い方を記した。沢山の人から共感の意見をもらった。文在寅大統領の戦略は実に明快になってきた。悲願は「南北統一」であり、そのために「反日」をかざして、国内世論を誘導し国民をコントロールしょうとしている。反対が賛成を上回る状況にも関わらず、文在寅大統領はチョ・グク氏を法務大臣に任命した。
■「反日」でまとまる韓国の謎
- 何故こうして歴代政権は結局「反日」の声を上げ、国民は「反日」で燃え上がるのだろうかと前々から疑問に思っていた。朴槿恵(パク・クネ)前大統領は当初から「反日」告げ口外交を進め、挙げ句の果てに監獄にぶち込まれた。保守か左派かは関係ない。歴代大統領のほとんどが退任後、罪に問われた。ノムヒョン大統領は自殺した。その疑問を解く理由にやっとたどり着くことが出来た。
- いま韓国でベストセラーになっている本が『反日種族主義 韓国の危機の根源』だという月間誌「正論」で産経新聞編集委員・久保田るり子氏の記事を読んだ。この著書の中で徴用工問題、慰安婦問題の歴史観を「ウソで固めた堕落した精神文化」と批判し「これを克服しなければ亡国の予感をぬぐされない」と反日勢力を徹底的に糾弾している。文在寅政府は「吐き気のする親日」とこの本を非難、波紋が拡大している。
- この本の著者でリーダーの李 榮薫イ・ヨンフン博士(前ソウル大教授・李承晩学堂校長)のインタビューとともに同書の内容を久保田るり子氏は解説している。この本をすぐ読みたいと思ったが、残念ながら私は韓国語が読めない。李氏は出版の動機を次のように語っている。「韓国の国民国家はいま深刻な精神文化の危機に直面しています。危機とは左派と保守の対立、左派は大韓民国を分断しょうとする勢力で、大韓民国を親米、親日派によって成立した反民族的な存在として否定する、民主化勢力、文在寅政権です。彼等は北朝鮮に協力して大韓民国の七〇年を否定しています」
- 実は李 榮薫氏は二〇〇七年に「大韓民国の物語」を出版し,日本語版(二〇〇九年)を出していることを知った。幸いこの日本語版を既に入手していた。この本以外にも韓国に関する著書は膨大な数を読破していたが、隔靴掻痒、痒い所に手が届かない、歯がゆくもどかしい感じを拭うことか出来なかった。数種類の朝鮮の歴史を読んでみてももどかしい、反・嫌韓版も沢山読んだが、何故そうなるのかという根本にはたどり着けない。知的保留が続いていた。
■「反日」は歴代政権の「よりどころ」
- 李承晩政権以来、保守、左派に関わらず一九四八年八月一五日の建国のスタートから間違った歴史が捏造され、以来延々と時の政権は国民を洗脳し続けた。それが、政権のよりどころだった。だから、北朝鮮はもとより大韓民国が「反日」の姿勢を改めることは「絶対無理」だということがわかる
★今回、李 榮薫 イ・ヨンフン博士の「大韓民国の物語」2007年をポイント・レビューして韓国の戦後を振り返ってみることにする。お読みなって、なるほどそう言うことだったのかとお感じになって頂ければ幸いです。
■大韓民国は間違って作られた国と主張するノムヒョン大統領
- 韓国政治指導者たちは「大韓民国はまっとうに建てられた国ではない」と思っている。金大中政権は「第二建国委員会」をつくって、いまからでも建国をやり直そうとし、ノムヒョンは就任直後二〇〇三年、三・一独立記念日の演説で「我々の近現代史は先人たちの貴い犠牲にもかかわらず、正義は敗北し、機会主義だけが蔓延した」といったp27
- 彼等は、「日本の植民地時代に民族の開放の犠牲になった独立運動家たちが、建国の主体となることができず、あろうことか、日本と結託して私腹を肥やした親日勢力がアメリカと結託し、国を建てたせいで、民族の正気がかすんだ」と思っている。P27
- 「民族の分断も親日勢力のせいだ。解放後、行き場のない親日勢力がアメリカにすり寄り、民族の分断を煽った。そしてそのような反民族的な勢力を代表する政治家こそ、初代大統領の李承晩である」と考えている。P27
■「解放前後史の認識」の影響「反日」の元本
★(一九七九年~八九年出版された六冊の本、これが「反日」洗脳の元本と言える)
- 「解放前後史の認識」は1980年代から1990年代に大学に通った韓国人に大きな影響を及ぼした。在野時代のノムヒョン大統領もこの本を耽読した。若い政治家たちの現代史認識はこの本で形成された。P30
- 第一巻総論・ソンゴ ノ著・解放後占領軍としてやってきた米軍政下で「親日派の事大主義者が勢いを得て愛国者を踏みつけ、一身の栄達のために永続的な分断を画策し、民族の悲劇を更に重いものにした」そして「1948年に成立した大韓民国は新生の政府であるにもかかわらず不正腐敗が蔓延し、斬新な気質を見いだすことが出来ず、あたかも老衰の国のようだった」と書いてある。P31
- 第二巻総論・カンマンギル著・民族統一が成就するまでは完全なる市民社会と近代国家が成立したと言うことは出来ない。民族の至上命題である統一を成し遂げるために、南朝鮮と北朝鮮の政治は民族政治でなければならず、経済も民族経済でなくてはならず、文化も民族文化でなくてはならない。P32
- 第三巻総論・朴玄採(パクヒョンチェ)著・解放後韓国の共産主義たちは毛沢東の革命理論を受容し実践しょうとした。1980年代の中盤から思想と学問の自由が与えられ、そこで再び毛沢東の革命理論で解放前後史を解釈しなおそうとした。P33
- 第四巻総論・チェンチャンジブとチョンヘグ著・北朝鮮は北朝鮮軍による支配下で革命的共産主義者と民衆とが連合した政権であり、米帝と反民族・反革命勢力の支配下にある南朝鮮を解放させる「民主基地」である。アメリカが内戦に介入したことで南朝鮮の解放と革命は挫折した。P34
- 第五巻総論・金南植キムナンシク著・北朝鮮の歴史的な正当性を主張している。北朝鮮の歴史と現実を理解するためには主体思想に接近する必要がある。
- 「解放前後史の認識」は毛沢東の新民主主義革命理論に立脚して大韓民国の建国史を批判した挙句、北朝鮮の主体思想に寄り掛かった民族の統一を展望することによって締めくくられている。P35
- 「解放前後史の認識」の第一巻が出版されたのは朴正煕大統領の時代で、韓国民主化運動(社会主義運動)をリードする役を担った。現実の社会主義の失敗にもかかわらず大韓民国の建国史対する批判と民族主義の歴史意識だけは、依然として今日の韓国社会と政治を牛耳る力として生き続けている。P36
★中学校・高等学校の歴史教科書での韓国民への「反日」の洗脳
■歴史教科書の現代史認識
- 中学校・高等学校の歴史教科書の叙述のあり方まで公然と入り込み、次世代の歴史意識まで支配する権威として君臨しているというのが実状だ。「韓国近現代史」という現行の教科書を見ても、検定・認定の教科書はその内容がほとんど同じだ。P36
- そもそも韓国が解放されたのは、アメリカがアジア・太平洋戦争で日本帝国主義を解体したからにほかなりません。1960年代以降、韓国が高度経済成長を遂げることができたのもアメリカが展開させた世界自由貿易体制という舞台の上のことでした。P37
- しかし教科書の執筆に参与した教育省(教育科学技術部)の検定委員も「解放前後史の認識」の影響下で毛沢東の新民主主義理論や、北朝鮮の主体思想に立脚して韓国現代史を書いており、いまだに支配的な力が生き残っている。P38
■二〇〇一年に発行の高等学校の教科書の内容
- 日本は世界史において比類のないほど徹底的で悪辣な方法で我が民族を抑圧し、収奪した。総督府は土地調査事業(1910~18年)を通じて全国の農地の四割の土地を国有地として奪い、日本人農民や東洋拓殖のような国策会社に廉価で払い下げた。また、生産された米半分を奪い、日本に積み出した。警察と憲兵が拳銃を突きつけ収穫の半分を奪った。P76
- 日本は労働力を収奪した。1940年代の戦時期に約六百五十万人の朝鮮人を戦線へ、工場へ、炭鉱へ強制連行し、賃金も与えず、奴隷のように酷使した。その中には朝鮮の乙女たちがいた。挺身隊という名目で朝鮮の娘たちを動員し、日本軍の慰安婦としたが、その数は数十万人に達した。P77
■収奪論の事実・教科書が作り上げた物語
- 単刀直入に言うと、これらは教科書を書いた歴史家が作り出した物語です。一般大衆の集団記憶としての歴史が、政治化された歴史家により人為的つくられたものであることを国史教科書の収奪説ほど赤裸々な例はない。P78
- 米は奪われたのではなく輸出という市場経済ルートを通じてでした。輸出は農民と地主に輸出にともなう所得を残した。日本内地の米価が三〇%程高かった。結果輸出により農民と地主はより多くの所得を得た。P78
- 土地収奪説が教科書にはじめて乗ったのは1962年に歴史研究会という団体が作った中学校用の国史教科書からです。この教科書は日本が土地調査事業を通じて土地の収奪を行った結果、日本人の土地が全国のほぼ半分を占めたとした。根拠は示されていない。1967年にはミヨンギュが書いた教科書に全国土の四〇%が収奪されたという記述がある。一九七四年教科書が国定制度に変わりその時から三〇年以上四〇%収奪説が定説として掲載されている。P82
- 総督府は国有地をめぐる紛争の審査において公平で既存の国有地であっても民有である根拠がある程度証明されれば民有地への転換をする判定をした。残った国有地は全国四八四万町歩のうち一二・七万町歩に過ぎずそれらの大部分も一九二四年までに日本の移民ではなく朝鮮人の古くからの小作人に有利な条件で払い下げられた。P84
■日本軍慰安婦問題の実相
- 慰安婦と挺身隊は別個の問題である。今日、大部分の韓国人は挺身隊といえば日本軍慰安婦だと思っている。中学校・高等学校の歴史教科書にもそう書いている。韓国の「国語大辞典」(金星出版)で挺身隊という語をひくと「太平洋戦争当時、日本軍の慰安婦として強制的に従軍した女性たちの隊伍」と出ている。インターネット百科事典でも挺身隊は「植民地の女性たちを強制的に徴用し(中略)性的な奴隷集団である従軍慰安婦をさす。その数は二十万にものぼると書いてある。P122
- 日本において挺身隊に関する議論が始まるのは一九四三年九月からで、一九四四年八月「女子挺身勤労令」が発動、ところが朝鮮ではこの法令は労働条件や勤労習熟度が大きく異なるため実効性を持った法令たりえなかった。国家が行政力をもって発動し動員することはなかった。P123
- 挺身隊を慰安婦として描写しはじめた最初の事例として一九六九年に発表された金廷漢の「修羅道」に出てくる。小説のなかで「風聞」によれば中国の南方に連れて行かれ日本軍の慰安婦になったと書かれている。小説の主人公の下女に「赤紙」すなわち挺身隊の令状が届いたと書いている。事実は女子挺身隊に令状がだされることはない。P129
■記憶の集団化、公式化
- 一九九七年から二〇〇一年の教科書から「挺身隊という名前で連行し、日本軍の慰安婦として犠牲にした」と記述されている。一九九一年八月に金学順さんが慰安婦だったと自身の過去を明らかにし、日本政府に賠償を求めるという出来事が大きな契機になった。P132
- 一九八三年吉田清治が「戦争犯罪」を出版した。韓国でも一九八九年出版された。多くの研究者が詳しく調査した結果、吉田の告白は事実でないことが判明した。一九八九年八月十四日の付けの「済州新聞」は、城山浦などで女性たちが連れて行かれたとされる村を取材した結果として、そのよう事実はないと報じた。P165
■済州島での調査と事実
- 城山浦の住民で当時八十五歳のチョン・オクタン氏は「そんなことはなかった。二百五十戸くらいしかない村で、十五名も徴用されていったのならば、どれたけおおごとか・・・・・・、当時はそんなことはなかった」とぴしゃりと言い切りました。済州島の郷土史家手ある金奉玉(キムポンオク)氏は、「吉田の本が一九八三年日本で出版され、そのご数年間追跡調査を行った結果、事実ではないことが明らかになった。P166
★この吉田清治の虚言を広めて来たのが、朝日新聞であり事実を調査することなく、三〇年間訂正すことがなかった。今も、朝日新聞は反省することなく、北朝鮮、韓国を擁護し続けている。ここでも改めてGHQによる洗脳、言論統制の影響が重なってきます。
★以上述べたことが、韓国では中学・高校の授業の中で繰り返し教えられている。韓国の近現代史で「反日」を教え込まれているわけだから、今の若い人たちが慰安婦問題や「反日」に共感する下準備が徹底して出来上がっていると納得できた。今後は小学校の教科書にも載せることを文在寅大統領は決定している。最新の情報では以下のことが判明している。
■韓国大統領、教科書から「黒歴史」消してさらなる親日潰し・週刊LASH2019.08.24
- 「今年、小学校の社会の教科書から『漢江の奇跡』という文言が消えました。1960年代から1980年代の、韓国の経済成長を表わすフレーズですが、この時代を否定すれば、韓国の経済発展への歩みが理解できなくなりかねないのですが……」 こう危惧するのは、神戸大学の木村幹教授だ。
- 「漢江の奇跡」は長年、韓国人の誇りだった。朴正煕政権で成立した「日韓請求権協定」によって日本から得た5億ドルの経済支援で、韓国経済は奇跡的な高度成長を成し遂げ、今日の繁栄の礎になった。
- 文在寅大統領や周囲の人間は、この時代を評価したくない。日本の支援もあって経済成長した朴正煕政権を、最新の歴史教科書では「維新独裁」と否定的に決めつけ、日本統治時代をモデルにしたともいわれる農村振興運動「セマウル運動」も、記述が削除された。
- 文政権の教科書改訂は、初代大統領の李承晩にも及ぶ。1948年8月15日の「大韓民国樹立」を「大韓民国政府樹立」に変更したのは、この日に政府ができただけ、と初代大統領・李承晩の業績を矮小化するためだという。
- 一方、日本については、「小学校の教科書には適切でない」として記されてこなかった「日本軍の慰安婦」という名称が記され、“反日色” が濃くなった。
- その反面、北朝鮮には融和的だ。朝鮮戦争は、「北朝鮮の南侵から始まった」とする記述は、2018年から削除された。
- 「国内の保守派こそ、文政権がもっとも意識する敵。彼らの否定こそ、文政権が重視する歴史観です。韓国を発展させた保守派を無理に否定し、文政権の歴史観を上書きしようとするので、どこまでいってもフィクションめいてしまうのです」(同前)
★次号も韓国に着いて論評する。福沢諭吉、伊藤博文の箴言は次号の予定。
理念の時代を生きる144号 稲盛和夫・経営者の哲学Ⅱ
前号で理念探究会、実践会のテキストの一部として稲盛和夫氏の著書「心。」を使っていることをお知らせした。当月も継続して後半の部分をご紹介する。若い経営者には必読の箴言の数々だ。日本人として、日本的な経営者として心して経営に取り組んでいただきたい。
今回第25回目の理念探究会も三名の参加者と大和先生と順調に進めている。年内の理念探究も明かりが見えてきた。一方、岡山での理念実践会、茨城での理念実践会も確実に見なさの成長が見られる。継続して学ぶ事の楽しみを味わっている。若い人たちと学ぶ事の喜びを感じながら、改めて稲盛和夫氏の箴言を和談しながら、現実の経営に対しての姿勢を確認している。
■第三章 強き心で成し遂げる。
企業再生の第一歩は考え方を合わせること
- JALの再生に携わったとき、「一生懸命に仕事に打ち込む」「感謝の気持ちを忘れない」「常に謙虚で素直な心をもつ」などの「フィロソフィー」を説いた。「みなさんが幼稚といい、当たり前という、とてもシンプルなこれらを、みなさんは知識として持っているかもしれませんが、身についてはいないし、実践できていません。それが会社を破綻させた元凶なのです」と話した。P117
従業員の心が変われば、会社は劇的に変わる
- 私は現場を訪れては、従業員に直接語りかける機会を持った。お客様に接するにあたって「利他の心」をもって取り組んでほしい。「あの飛行機にまた乗りたい」とお客様に思っていただく。そんな航空会社に生まれ変わるために一番大切なのは、みなさんの「心」なのです。よき心によってなされる行為には、必ずやよき結果がもたらされる。よき心を持って仕事に従事することは、それぞれの人生という畑に幸せの種をまいてくれるものだ、と話した。P120
あきらめない意思の力が会社をよみがえらせる
- 敗戦の焼け跡の中から、日本経済は不死鳥のごとく甦りました。資本もなければ資源もない。人も技術も足りない。そうした大きなハンデを背負いながら、いくつもの中小企業が世界に冠たる大企業に成長していきました。その原動力となったものこそ、静かだけれども燃え上がるような強い意志であり、「思い」であり、「心」であったと思います。P123
■第四章 正しきを貫く。
逆風にさらされても、正しい道をまっすぐに行く
- 振り返れば、私はどんな局面であっても、正しいかどうかで行動する、つまり「正道を貫く」ことで困難を突破してきたように思います。どんな難しい局面に立たされても、自分に妥協や迎合を許さず、正しい道を正しいままに踏み進んでいく。言い換えれば、いつでも正面突破で解決を図ることしかできなかったのです。P136
正しい生き方をすればこそ、人は困難にあう
- 正しいことを貫こうとする時、「何を正義ぶって」と誹謗中傷したり、足を引っ張ったりする人の方がはるかに多いものです。それでも、正しいことは正しいままに貫く覚悟が必要、むしろ正しい生き方をしているからこそ、私たちは困難に出合うのです。P139
- 本来辿るべき正道を懸命に歩んでいるからこそ、困難がもたらされる−−それは、天が与えてくれた試練であり、心をさらに磨くためのチャンスと言っても良い。それによって私たちの魂はますます清められ、人生はますます豊かなものになっていくのです。P139
人間としての「正しさ」を経営の原点に置く
- 母が私たち兄弟に教え諭してくれた「いつ何時でも、神様や仏様はちゃんと行いを見ているものです。一人でいる時、誰も見てなくても、神様や仏様が見ていると思って、きちんと行動しなさい」その言葉のままに、経営においても人間として正しいことを貫き、天に恥じない経営をするという思想を愚直なまでに貫いてきた。P147
正しい判断は“魂”がもたらしてくれるもの
- 人の中心部には「魂」があり、その最も深い、確信ともいうべきところには「真我」がある。「真・善・美」という言葉がふさわしい、最も純粋で最も美しい心です。魂から判断するということは、「人間として正しいこと」を基準にするということ。そうした規範を心の中に据えていれば、いかなる時も正しい判断を下すことができます。P151
真我に至れば、一瞬で全ての真理がわかる
- 普段の生活の中で、毎日の仕事の中で、常に自らの心を高め、魂を研磨し続ける。そのような生き方をしていれば、僅かなりとも真我に近づいていくことができます。そういう生き方をしている人は「宇宙の流れ」と合致している人であり、真我に近づくに従って、現実は良い方向へと転じていく。幸運に恵まれた素晴らしい人生を送れるようになるのです。P157
■第五章 美しき心根を育てる。
リーダーにふさわしいかは「心根」で決まる
- 経営の現場で働いていた時、私がリーダーにふさわしいかどうか判断する基準としたのは、頭脳明晰な人物でもなければ、知識が豊富な秀才でもない。素晴らしい人間性を備えていると判断した人でした。165
どんなときも心の手入れを怠らない
- けっして能力に恵まれたわけでもなく、逆境にさらされて苦難の道を歩んでいても、考え方がプラスであるならば、やがてその人はきっと運命を味方につけて、すばらしい人生を送るにちがいありません。結局のところ、成功や名声、称賛といった栄光も、また挫折や失敗、苦難といった逆境も、天が与えてくれた試練なのです。175
真我に近づけばありのままの真実が見えてくる
- 魂の中心には、人の心の中でもっとも純粋で、かつもっとも崇高で美しい「真我」がある。それはすばらしい「真・善・美」の世界であり、愛と調和に満ちたものであり、さらに万物を万物たらしめている「たった一つの存在」とまったく同じ存在そのものである。186
- なぜ、宇宙の真理は一つであるのに、私たちの人生それぞれに波瀾万丈で苦難や困難に満ち、一筋縄ではいかないのか。それは、心が濁ってしまっているために、ありのままの真実が見えないからです。毎日短い時間でも良いので、心を平らかに鎮めるひとときをとることによって、真我の状態に少しでも近づくことができる。189
全ては心に始まり心に終わる
- 人生は心のありようですべてが決まっていきます。それは実に明確で厳然とした宇宙の法則です。どんな人であっても、与えられているのはいまこの瞬間という時間しかありません。そのいまをどんな心で生きるかが人生を決めていきます。204