脳力開発118号
第一部・脳力開発指針・精神的姿勢づくり
六月後半から七月に掛けて脳力開発研修が三回続いた。六月二十一~二十二日、徳島でリブドウ・コーポレーションの大卒入社三カ月研修、リブドウでの研修も毎年開催、かれこれ二十七~八年も続いています。七月一日、鯖江でMKD理念探究準備会での若手経営者対象の一日研修、継続して十一月にも続編をやります。そして七月八日~九日恵那で二十一世紀クラブ主催第二十六回研修会です。二十六回という事はほぼ二十六年間毎年恵那で続けてきたという事です。何故、こんなに長く続いてきたのでしょう。
それは、私が三十七歳のときにであった城野宏先生の創設された脳力開発研修が「どんな環境条件に遭遇しても、それを逞しく乗り越え充実した愉快な人生を過ごすために役に立つことを目的としている」からです。そしてこの理論は精神的姿勢の指針三つ、思考方法の整備の指針五つ、実際知識の拡大(行動の実践)の指針三つで成り立って、誰にでも取りくめるからです。
リブドウ・コーポレーション研修
二十一世紀クラブ研修
■精神的姿勢の確立
先月号で、情勢分析で思考方法の整理として五つの指針をあげました。新人を対象にした二日間の研修では精神的姿勢の確立の三つの指針、第一項・自分で主体的にやる姿勢をつくろう(人に頼る姿勢をやめよう)第二項・いつも進歩発展をめざす姿勢を作ろう(現状に甘んずる姿勢をやめよう)第三項・他人の利益もはかる姿勢をつくろう(自分だけよしの姿勢をやめよう)のうち、第一項と第二項を中心に進めます。
二日目は思考方法の整備のなかでの第一・中心骨組みで考える。戦略と戦術の混同をやめる。目的・目標の不明確な混乱した思考をやめる。第二・常に両面とも考え、何方が主流かも考えるをとりあげ、特に自分のこれからの会社生活を充実したものにするための未来対応計画をステップを追って自分自身で立ててもらいます。
●脳力開発との出逢い
日本コロムビアに入社して、営業として名古屋に赴任してから十年間は正に自分の思うように順風満帆でやって来ました。自分で企画し、多くの取引先の人達とも自主的に合宿勉強会を重ねたり、取引先の社員の人達と音楽会や、寺山修司の天井桟敷なども社長さんにお金を出してもらい一緒に見に行きました。結婚式の仲人も五~六組引き受けました。正に仕事も遊びも楽しくてたまらない時期を過ごしました。
その後、課長として昇格して東京の最重要エリアの秋葉原を担当する事になりました。会社の営業部門でも予算も一番大きなエリアを担当しました。八月に転勤、半年間は市場になれる事が中心でしたが、翌年から快進撃が続きました。振り返るとオーディオ全盛期の頃で、毎年毎年グングンと売り上げを伸ばし、当社もデンオンブランドを引っさげて業界でも快進撃を続けていました。営業成績はよく全国一位の成績で社長賞も何度も獲得し、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。特約店からの評価は勿論、各社のセールス関係者から一目おかれる存在にまでなっていました。三~四年も続いたでしょうか。部下を昇格もさせ評価もあがりボーナスも沢山もらった時期が続きました。そんな私にも自分の立てた計画が未達のときが訪れたのです。
不調になって最初の一年は何とか忍んだものの、二年目も回復の兆しがありません。苦悶しました。このころ休日、家にいても酒を飲んでくだを巻くのがいやで、毎週一人で山に登り始めました。何かをしていないとこの悩みから開放されないからです。人生でもうまくいかない時もあるものです。どうしてもいままでのやり方では不振は解決できませんでした。
そんなとき、弟から一冊の本を紹介されました。「転機の行動学」城野宏著という本でした。そして、読了したのち直ぐに城野先生にお会いしにいったのです。
城野先生との出逢い
その時のことは忘れられません。先生は私の手を取って、「お主の手をこれから叩くぞ」と仰られ、私の手を叩かれました。そして私に問われたのです。「この手は(先生の手)は勝手に飛んで行って、お主の手を叩いたのか?」と。
私は、「勝手に飛んできて私の手をたたいたのではありません。先生が私の手を叩こうとして(先生の意志で)叩かれたのです」、答えました。先生は「その通り。私がお主を叩こうとして叩いたのだ」と言われました。そして続けて、「お主は営業成績が不振になってからどんな行動をしているのか。以前と異なるどんな手を打っているのか?」と聞かれました。
まるで禅問答のようですが、私には一瞬の間に先生が言われる事を悟る事ができました。私の行動は以前と変わらない。せいぜい、「よかったころの延長線上の行動しかしていない」という自分に気がついたのです。そして先生は「人間はその人の行動を見ればその人が何をしたいのか分かる」と続けられました。私は「本気でこの不振の状況を変えていこうと行動していなかった」と気がつきました。
■第一項・自分で主体的にやる姿勢をつくろう(人に頼る姿勢をやめよう)
この指針を両面から考えてみると、主体的でない姿勢は人に頼る姿勢といいます。人に頼る姿勢の特徴は一、いつも不平不満口を口にする事が多い。二、自分にとって都合の悪いとき、悪い事は周り他人の所為にする。三、自分を取り巻く環境(家庭環境、職場・会社環境、社会環境)に強く影響される。
具体的には自分の生まれた環境や、働いている職場、上司、同僚など等が悪いということが多い。責任を他人に転嫁をする。あるいは景気が悪いからだ、売れないのは商品が悪からだ。他の部署が悪いからだと原因を自分以外の環境条件に求める姿勢の事をいいます。
人に頼る姿勢の人は、気がつかないまま上司や同僚、後輩を馬鹿にし、自分の思うようにやってくれないと不平不満をいい、自分のことは棚に上げ相手が変わってくれる事を願っているわけです。
一・主体的な姿勢の人は今のよくない状況変えていく原因(原動力)は自分自身の中にある。主体者(推進者)自身の中にあると考え行動する人。
二・人に頼る姿勢の人は原因(原動力)は外部(環境・条件)にあると考えて、自分からは行動しない人。
以上の原理に当てはめれば、成績を伸ばしてきた当時は、私ほど主体的な人間はいないと考えていました。そして十数年ぶり不調に陥ったとき、部下や商品や上司や他部門の所為にする事はありませんでしたが、電機業界自身が不況業種として指定されていました。ある時、上司の部長に呼ばれて、現状を聞かれたとき、ナショナルもソニーもアメリカ市場では苦戦していますねと、日本経済新聞のニュースを盾に、苦しい言い訳をした時、我ながら「情けない」と思いました。結局最終的に不景気の所為にしてしまう自分がいたのです。勿論上司から、そんな事が君の不振の原因なのか?と言われました。いや情けなかった。
城野先生に指摘されたとき、はじめて私は終始一貫して主体的な姿勢を貫いていない自分に気がついたのです。うまくいかない原因(原動力)を環境・条件に所為にしている自分に気がついてのです。
●主体的な姿勢の強化法
一・今ある条件を使って新しい条件作っていく。(創意工夫をして現状を変えていく)
二・自分でやる事を決めて実行していく。(自分で決める)
三・自分の人生の主人公は自分自身だといつも意識、確認をする。(意識の確認)
意思決定・戦略決定
仕事というのは「原因(原動力)は自分にある」としっかりしていなければ、自分を取り巻く他の条件や環境がいくら整っていてもどうにもならない。自分自身が本当に変えようと決心していなければ、戦略決定・意志決定をしていなければ、今の状況を変える事はできない。気がついて以後、私は一から三までの方策を具体的に実行していきました。営業の基本に還り、地道に取引関係を見直し、実行していきました。従来の活動に加え新しい行動をメンバーと一丸となって実行していきました。変えるようという行動を積み重ねていくと、変わるものです。
家庭でも、同じことで、うまくいかないときには妻の所為にしたり、子供の所為にしたりして暮らしている自分に気がつきましたね。会社での行動を変え始めてから、家庭での私の行動も変えていきました。一、行動が変わる(自分が変わる)と二、相手が変わる(妻や子供)三、相手が変わると周り周囲が変わっていきます。この原理を活用していろいろな場面に応用して変えていきました。私の変わる姿を見て、周りの人たちも理解応援してくれるようになりました。私の三十七歳の時の決心がその後の人生を確実に変えてくれました。
■第二項・いつも進歩発展をめざす姿勢を作ろう(現状に甘んずる姿勢をやめよう)
現状維持の人の特徴は以下の三つです。
一、新しいことに対して積極的に取りくまない。二、他人からのアドバイスや忠告に耳を傾けない。三、目的、目標意識が低い。(その日が無事すぎれば良いという姿勢)
●考え方の整理
大抵の人は今の状況に対してあまり変えていこうとは思っていないものです。何故そうなのかと、原理的に考えてみると、一、人間は誰でも新しいこと、初めてのことに対しては難しい大変だと感じるものです。二、失敗に対しての恐れの気持ちを誰も持っている。三、人からの評価(他人にどのように思われているか)気にしすぎる。という傾向があります。
●脳力開発では、そういう傾向にとらわれていると現状に甘んずる姿勢が強固になってしまいます。それを防ぐために一、難しいこととやさしいことの違いは、時間がかかるかどうか、量の問題として捉えるように、事例を挙げて考えます。二、失敗に対しては誰も恐れの気持ちがある。失敗はしたくなという気持ちが強いものです。両面から考えれば「失敗と成功」の両面を体験して置くことが大事なのですが。そこで一回目の失敗は一歩前進。二回目の失敗は確認、と敢えて考えるように工夫します。三、人間というのは正直にいうとあまり他人の関心を持っていません。確かに人のことをあれこれ噂にはしますか、「人の噂も七十五日」という諺のように、次々と移り行く話題に翻弄されているのが現実です。ですから自分がどう思われるか等、人と比較する必要は全くありません。見栄や虚栄は現状打破する上では大敵です。
●失敗が人を育てる
子供たちがまだ小学生の頃、家庭訪問がありました。妻は先生に「できるだけ小さな失敗を積極的にやらしてください」とお願いしたら、そんなことをいうお母さんはいませんと怪訝な顔をされました。我が家の子供たちは沢山失敗をしています。人にも言えない体験を、小さな失敗から、命にも関わったオートバイでの交通事故など、あげればきりがありません。勿論、私もいっぱいあります。
長男などは、その後失敗を楽しむ達人?になりました。大したもので。交通事故そのものも、大きな失敗でしたが、退院を決意した上で(戦略決定をして)改めて、入院生活を有効に活用して、入院している間に投稿した映画評論で入賞し、ブロードウエイ招待されたことがありました。退院後、喜びのあまり、航空チケットを自宅に置いたまま成田に行き、チケットを取りに帰って、成田にとんぼ返りしたときにはパスポートと荷物だけは小学館の社員の人達とアメリカに飛んでいました。その時、時差を使えないかと考え、草津に出張している私と松戸の家にいる息子は電話で何とかアメリカに行けないかと、英語と日本語で奮闘しました。パスポートさえコピーでもあればいけるということまで彼は交渉しましたが、小学館の人達はアメリカでの行事もあり、対応できないという結論になりました。アメリカ行きは諦めるしかありませんでしたが、
この失敗が後々、彼の糧になりました。自分で旅行のコンダクターのアルバイトをしたりして経験を積み、今では旅行の達人です。現在、構成作家の仕事をしていますが、どんな所にでも緻密な計画を立てて旅しています。最近は中学生になった自分の長男と、過密なスケジュールの中でいろいろ珍しい旅をしています。失敗を楽しみながら今も好きな道を歩んでいます。
●見栄や虚栄を張らない
失敗を恐れる気持ちと同様に、見栄や虚栄は脳力開発の大敵なのです。実は見栄を張る人は、周囲の人達の頭の程度や眼力を低く見ているのです。自分で気がつかないまま周りの人たちを馬鹿にしていると言えます。大半の人達は見栄や虚栄に騙されるような人達ではないのですが、それに気がつかないのは本人ばかり。人間見栄を張る人は結構多いものです。大事なことは自分の現在よりも将来なのですが、今の自分を少しでもよく見せようと、実力以上に自分を見せようという心理は誰も持っているものです。
●現状打破するための方法
一、いい格好をしようと思うな。(知ったかぶりをしない)二、いつも前向きで積極的な言葉をつかうようにする。三、否定的な言葉は無理にでも使わない、そういうイメージを自分の心の中から完全に払拭することが大事です。
■明元素言葉と暗病反言葉(図参照)写真を入れてください。
明元素言葉と暗病反言葉というポスター、携帯カードなどを作って活用しています。わざとでもよいから、逞しい前向きで建設的、肯定的な言葉やイメージで仕事や暮らしに取りくむことが大事なのです。我が家では三禁句があって、一、無理です。二、駄目です。三、できません。
●言葉とイメージ管理が大切
人間の身体は理性で理解できるものだけではありません。脳力開発のインストラクターをしていた講師の女性がいました。加藤みちこさんといいます。この人は十六歳の時に今でいうと無腐性壊死という原因不明な病気に罹りました。三~四年の闘病後、城野先生に出会って、人生を一新した人です。その人は私があった当時、松葉杖を使っていました。差別用語といわれるでしょうが、ちんば(跛)でした。その彼女は、何度か私が講師を勤める日本各地での脳力開発研修で講演をしてもらいました。ある時から松葉杖を使わなくなったのです。骨の障害がなくなり、骨が蘇生してのです。
長男倫太郎が交通事故で入院したときに、私は中村天風の「成功の実現」を毎日読むこと
(中村天風はこのことをキチント指導してくれます。心と身体は連動している)とこの明元素言葉の実践を進めました。その結果、骨折した骨が蘇生して大腿骨の移植手術が軽く済んだこともあります。言葉とイメージの管理が大切だということですね。
●未来対応計画
戦略と戦術の混同をやめる。目的・目標の不明確な混乱した思考をやめる。特に自分のこれからの会社生活を充実したものにするための未来対応計画をステップを追って自分自身で立ててもらいます。多くの人は自分の目標をハッキリと持っているかと問われると、若い人達は意外と明確な目標を持っていません。
今回の脳力開発研修では、この目標設定(戦略設定)の段階まで作ってもらうことが目標です。このステップは一局・理念設定(自分の目指す世界、本当にやりたいこと等をデーターにします)、二局・案件設定、三局・現状把握、四局・来果探究、五・予悔充足、六局・戦略設定まで順番に進めてもらいます。
自分で理念設定からはじめて、現状を把握する。大抵の若い人はこの現状把握局面が苦手です。そして来果探究で現状に全て手を打って改善したとしたら、自分の可能性は何処まで可能なのかを表現し、データーにします。可能な最上級の未来像、望み放題の未来像を表現してもらうわけです。そういうプロセスを経て、自分の計画を立ててもらいます。
以上のステップを二日間掛けて、指針に基づき具体的に考え、和談を体験したり、演習問題に取りくんだりします。そして実行した人達は大きく成長していきます。机上の話を一方的に進めるわけではありません。具体的に、体験的に身につけてもらいたいように構成しています。二十六年も続けながら、世代を越えて体得できる研修を過ごしました。(悦司)
第二部・事例研究
今回とは、脳力開発の指針にしたがって一つの新聞記事を考えてみたいと思います。前号で、「第二・常に両面とも考え、どちらが主流かも考える」を取り上げました。世の中、一般において最も頻繁にある欠陥的な思考習慣は、「片面思考」あるいは「一面思考」であるといえる。文字通り物事の片面や一面だけを見て考えたりしただけでお終いにしてしまう思考習慣です。
●新聞記事やメディアはこのように、目立つ部分を記事にする。読者はその少数部分の印象を時に全体であるかのように考えて、次の行動に繋がっていく。
●片面思考・分極思考は如何に危険性に満ちているか。
●第三・立場観点を整理し多角度から考える。立場は希望を表している。立場が違えば希望が違う。立場というのは「複数の要素の間の相互関係」を整理して考えることが大事だ。
「立場によって主張、意見が異なる」「立場によって評価、善し悪しが異なる」「立場によって戦略が異なる」ということをしっかりと考える前に、頭に入れておかなくてはならない。
●この衝突のなかで最も基本的なものは「現状を変えようとする立場」と「現状を変えまいとする立場」との衝突です。「現状打破」か「現状維持」の立場の衝突が一番多い。
■事例研究
この事例として添付の資料を見てもらいたい。衆参両院で10日「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる審議があった。私はNHKの中継を見ていた。今回は加戸守行前愛媛県知事の発言があった。朝日と毎日は「ゆがめられた行政が正された」の加戸守行前愛媛県知事発言取り上げていいません。自分たちに都合の良い情報だけを取り上げて読む人を誘導しょうとしています。
衆参両院で10日に開かれた学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる閉会中審査から一夜明けた11日の朝刊各紙は、官邸の不当な関与を主張する前川喜平・前文部科学事務次官の発言を大きく取り上げた。一方、国家戦略特区として獣医学部設置が認められたことに関し「ゆがめられた行政が正された」などと文部科学省の過去の対応を批判した加戸守行前愛媛県知事の発言については記事で取り上げないところもあり、報道の“印象操作”が浮き彫りとなった。
朝日新聞は1面トップの記事に「加計ありき 疑念消えず」の見出しで、前川氏の発言を多めに盛り込んだ。一方、加戸氏の発言は記事では報じず、毎日新聞も「加計 論戦平行線」と1面トップで大きく報じる中、加戸氏の発言はなく、これでは地元の獣医学部誘致を文科省などが阻止してきたことが読者には分からない。東京新聞は社会面で加戸氏の発言を取り上げたが、加戸氏の発言の肝である「ゆがめられた行政が正された」の部分を記載しなかった。
一方、産経新聞と読売新聞、日経新聞は「行政がゆがめられた」と主張する前川氏に対し、加戸氏が「岩盤規制にドリルで穴を開けていただいた。『ゆがめられた行政が正された』が正しい発言ではないか」との発言を記事で取り上げた。加戸氏は閉会中審査で「今までたくさんの取材があったが、申し上げたいことを取り上げてくれたメディアは極めて少なかった」と訴えていた。(産経新聞より転載)
●一面的な見方の危険性
この事例を取り上げたのは、実に分かりやすく、具体的な表示によって伝えているからです。加戸守利前知事は冷静に十二年にわたってこの問題について申請を繰り返し、民主党政権になったときには、時の政権は支援すると答えたにも関わらず解決をみず、次の自民党政権に移行しても放置され、やっと今回実現した。知事は元文部省官僚で優秀な官僚で、文部省の内部については詳しい。前川氏はかつて部下だったそうです。発言をお聞きしていると、政治家の役目(使命・理念)=戦略に触れ、前川氏や民進党の戦術(やり方、方法、手段)についてあれこれの発言にあきれていた。戦術で議論するのは愚の骨頂なのです。これが戦略と戦術の混同なのです。
前回ポリティカル・コレクトネスで取り上げたように、戦略(目的)よりも戦術を混同して戦術で議論している。また、自分たちの立場のみを主張し、目的を議論しない愚かさ、現状維持派(既得権維持派)の抵抗等の愚かさを見た放送だった。
主体的な姿勢の指針から見ても明らかで、安倍さんが悪い、閣僚が悪い、官僚は被害者だ、圧力が強かった等など、泣き言ばかり言っている。人の所為、周りの所為にしている。しかも天下りの問題で責任をとって辞任した人間が、あれこれ泣き言をいい、それをメディアが一面的に取り上げている。全く人に頼る姿勢の典型的な姿です。
一見正義の味方を装って、客観的なメディアとしての姿勢を隠蔽して、いけしゃあしゃあと紙面に掲載し、テレビでも放送している。これこそ吉田清治の虚偽の慰安婦問題を三十二年間も隠し続けた朝日新聞ならではの真実の正体です。何方が真実かはみなさんが冷静に判断すればいいのですが、一方情報に誘導される人達もいることを認識する必要もあります。次回はノイジー・マイノリティーの問題を取り上げる予定です。(悦司)
●今回は理念探究会の記事はお休みに致します。次号をお楽しみください。